【舛添都知事日記】水素社会の実現と国際金融の地位向上に向けた長期ビジョン策定へ
日本における水素ステーション〔PHOTO〕gettyimages

残暑が厳しい毎日であるが、広島で大雨による土砂災害が起こり、多数の犠牲者が出た。心からお悔やみ申し上げる。

伊豆大島でも昨年、同様の被害が生じているが、東京でもすでに6993箇所が土砂災害警戒区域に指定されており、平成32年までには、15000箇所の指定が完了する予定である。砂防堰堤の整備などハード面の対策をおこなうとともに、この土砂災害警戒区域指定による警戒避難体制の整備促進などのソフト面の対策も進めることで、危機管理を徹底したいと思う。

環境と調和したまちづくりを世界にアピールしたい

就任以来、半年余りが経つが、東京を世界一の街にするために、さまざまな政策を立案している。たとえば、水素社会実現に向けた東京戦略会議は、これまでに3回開催し、着実に具体的施策化へ動きつつある。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会での活用を目指し、環境と調和したまちづくりを世界にアピールしたいと思っている。

同時に、多くの課題があることも明確になってきている。まずは、水素ステーションの整備である。水素自動車、燃料電池自動車(FCV)に試乗してみたが、ガソリン車と比べて遜色ないパワーと走行性能を確認できた。しかし、ガソリンスタンドに相当する水素ステーションが各地になければ、安心して走ることができない。

東京は地価が高いので、用地取得にコストがかかる。水素ステーションは公道から8メートル離して設置するという規制があるが、これを4メートルくらいに緩和できればコスト削減につながる。数値目標を決めて、都内に計画的に水素ステーションを整備していく予定である。

公用車・社用車から燃料電池車に切り替えていき、初期需要を創出することも大事である。また、災害時などにおける非常用電源としても活用できるので、その点からも、燃料電池の車やバスを活用することが期待できる。

さらには、家庭用や業務用としても燃料電池の普及が望まれる。新築、リフォーム、そして大規模再開発などの機会に、積極的な導入を目指したいと思っている。そのためにも、水素の安定した供給体制の構築が不可欠である。多くの企業が、さまざまな方法で水素供給を試みているが、官民で協力して安定供給を軌道に乗せねばならない。

水素社会の実現に際しては、国では霞が関の縄張り争いに邪魔されて遅々とした歩みしかできていない。その点、東京都では、知事の指導力さえあれば、全庁一丸となって推進できるので、国に先行して水素社会実現を図りたいと思っている。

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