中国
キーワードは「新常態」!? 習近平が主導する日系企業叩きの本質とは
〔PHOTO〕gettyimages

「正義を振りかざす官庁」が辿り着いた一手

7月28日の本コラムで、私は次のように書いた。

〈 予言めいたことを言うと、次に「危ない」のは、中国の日系企業ではないか。折りしも、7月25日の「日清戦争120周年記念日」を皮切りに、習近平主席の意向に沿って、中国メディアで「反日キャンペーン」が始まった。「日清戦争敗北の屈辱をいまこそ晴らそう」というのが、習主席のご意向である。

となれば、象徴的な「悪の日系企業」が作られることは、容易に想像がつくのである。中国に進出している3万3000社の日系企業は、この時期、心して工場の点検などを怠らないことが必要だろう。 〉

あれから1ヵ月を待たずして、「予言」が的中してしまった。

ファーガイウェイ(発改委)こと、中華人民共和国国家発展和改革委員会の政策研究室が8月20日、この官庁のホームページに、「日本十二家企業実施汽車零部件和軸承価格壟断被国家発展改革委罰款12.35億元」(日本の12社の自動車部品メーカーに独禁法違反で12.35億元の罰金を科した)という見出しの「最新ニュース」を載せたのだ。

発改委は、1992年まで中国が計画経済をやっていた時代に、国家計画委員会と言って、中国経済の司令塔だった。日本で言えば、財務省+経産省+国土交通省+総務省+金融庁くらいの強大な権限を有していた。それが紆余曲折を経て、2008年にいまの発改委になったが、それでも依然として「官庁の中の官庁」として君臨した。

私も2012年までの北京駐在員時代、多くの中国の官僚たちと付き合ったが、発改委の官僚だけは別格で、会食していても常に「見下されている感」があった。これはおそらく彼らの習慣で、「相手と対等に接する」という機会がないためだろうと、私は推察していた。

ところが習近平主席は昨年8月、発改委のナンバー2で、北京オリンピックの責任者だった劉鉄男副主任を、「汚職幹部」として引っ捕らえてしまった。この「一罰」で、発改委のエリート官僚たちは、「去勢した宦官」(中国の某官僚の表現)のように、習近平皇帝様にひれ伏してしまったのだ。

その後は、「何が習近平皇帝様の意にかなうかを物色し、外資企業叩きに辿り着いた」(同官僚)というわけだ。「発改委は盲腸のような官庁になってきたため、習近平主席によってお取り潰しに遭う」との噂まで出ていた。だが、外資叩きを始めて以降、息を吹き返したかのように連日、中国の官製メディアに、「正義を振りかざす官庁」として登場するようになった。

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