戦禍からの復興---カンボジアの新しい「国づくり」を担うキット・メンの信念とは
文/モーニング編集部
戦乱の苛烈な体験を語るキット・メン
昨年からスタートした島耕作×NHKのコラボ企画『島耕作のアジア立志伝』。躍進するアジア経済を牽引する気鋭の企業家を紹介するこの企画は、NHKの番組とモーニング誌面を横断する初めての試みとして人気を博し、2年目に突入。今回、NHK取材班の話をもとに放送前の番組内容を紹介する。第2弾は、発電所などの大規模開発、情報産業、金融業など40を超える事業を手がけ、カンボジアの国づくりを担うロイヤルグループのキット・メン。民間人ながら国の発展のために尽力するキット・メンの信念に迫る!

カンボジアの復興を牽引する若きリーダー

毎年7%を超える経済成長率、人口の65%が30歳未満、タイの6分の1という人件費の安さ。そして、来年に迫ったASEAN経済統合。カンボジアは、さまざまな面から世界の注目を浴びている。

この国の「国づくり」を担っているのは、キット・メン。46歳の若きリーダーだ。

キットは少年時代、ポルポト政権が引き起こした熾烈な戦乱を体験している。極端な共産主義を実行したポルポト率いるクメール・ルージュは、都市の文化を否定し、都市のほとんどの住民を強制的に農村に移住させた。首都プノンペンの郊外に住んでいたキットの家族も全員農村に移住させられて、バラバラになった。

「戦乱は筆舌に尽くしがたいものでした。私の家族は故郷を奪われ、引き裂かれてしまいました。その時、私はまだ10歳にもなっていませんでした」(キット)