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安倍首相唯一の活路は「消費税率10%引き上げ先延ばし」を
今すぐ発表すること

黒田東彦・日銀総裁は安倍首相にとっての「黒田官兵衛」ではなさそうだ         photo Getty Images

NHKの大河ドラマ「軍師 黒田官兵衛」を、ここ数週間つい見続けてしまった(筆者は、日本の時代劇では、信長の前後「だけ」が大好きなのだ)。

羽柴秀吉は黒田官兵衛の策に従って、毛利方の備中高松城を水攻めの奇策で攻め、本能寺の変で織田信長が没してからは即座に毛利と和睦を結び、いわゆる「中国大返し」で京に戻って明智光秀を討ち、天下人・豊臣秀吉となった。この間、官兵衛は冴えに冴えまくっていたわけだが、さて、今の日本の政治的な天下人である安倍晋三首相には、官兵衛のような優れた軍師がついているのだろうか。

安倍政権の一大看板「経済」に翳り

安倍首相は、確かに目下天下人であり高支持率という戦力を持っているが、この戦力に衰えが見え始めてきた。歴代内閣の例から見て、現在の概ね40%台の支持率は、まだ危機というほどではないが、政権が盤石とはもう言えない。今後何らかの状況の悪化があって、10%程度支持率が落ちると、政局はいつ不安定化してもおかしくない。余裕を作るためにも、何か策が欲しいところだ。

形勢を見ると、集団的自衛権や原発の問題など議論が分かれて支持率を損ないやすい問題があったことに加えて、一大看板だった「経済」に翳りが出て来たことが何といっても痛い。

4-6月期のGDPが年率換算で6.8%と大方のエコノミスト達の想定以上に大きく落ち込み、ウクライナ情勢などの外的マイナス要因もあって株価が上げきれないなど、日本経済は冴えない状況に陥っている。物価はほぼ日銀の想定通りに上昇しているし、雇用が改善している。これらは安倍政権が成果として誇っていいのだが、建設業、サービス業などを中心に一部では人手不足が供給側の制約要因になって、公共事業支出は経済効果が出にくくなっている。