米国の仕事斡旋サイトが生み出す"新ワーキング・プア"
カー・シェアリング斡旋サービス「Lyft」のトップページより

カー・シェアリングなど様々な労働力斡旋サイトによって、米国で新たなワーキング・プア層が生まれつつある。

●"In the Sharing Economy, Workers Find Both Freedom and Uncertainty" The New York Times, AUG. 16, 2014

上の記事によれば、米国では「Uber」や「Lyft」などカー・シェアリングに以外にも、「TaskRabbit」や「Fiverr」など多彩な一時労働の斡旋サイトが存在する。カー・シェアリングは労働者が自分の空き時間を使って誰かの運転手役を務めるサービスだが、それ以外の斡旋サイトは運転手役に限らず、一種の便利屋的な一時仕事を仲介するサイトだ。たとえば庭仕事、家政婦、家具の修理、子守、料理人、レストランの料理デリバリー役・・・と何でもありだ。

家計に余裕があって多忙な人たちは、これらのサイト上で上記のような一時仕事をやってくれる人を募集する。逆の立場の人は、これらのサイトから自分のやれる仕事を見つけて応募する。両者の間で時給や日時など交渉が成立すれば、後は労働者はその条件で働いて報酬を受け取り、その数パーセントをコミッションとして斡旋サイトに支払う。

副収入の手段が本業に

一見、問題は無さそうだが、実はある。それは、これらの斡旋サイトの実態が当初の、あるいは本来の設立目的から逸脱してしまったことだ。カー・シェアリングにしても、それ以外の斡旋サイトにしても、当初は労働者に副収入の手段を提供することが目的だった。

一番分かり易いカーシェアリングを例にとると、本来なら定職に就いている人、たとえばどこかの会社の社員で、毎朝車で通勤しているような人が、同じ時間帯に同じ方向に通勤する、同じような境遇の会社員を道の途中で拾って、「折角だから一緒にどうですか?ただし少しだけお金を払って貰えると助かります」というようなサービスだった。所詮は副収入だから料金はタクシーより安い。だから、これらのサービスを使う人がどんどん増えたのだ。

カー・シェアリング以外の斡旋サイトも、基本的には同様の趣旨で設立された。要するに本職ではなく、あくまでも副収入を得るための手段(一時仕事)を斡旋するサイトだ。ところが実際にサイトが稼働し始めると、徐々に、と言うより、あっという間に副収入の手段ではなく、これを本業にする人が圧倒的に多くなってしまった。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら