町田徹「ニュースの深層」
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原発ゼロの夏に「火力発電所トラブル続出」
3つの解決策のどれを選ぶのか?

2014年08月19日(火) 町田 徹
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全国で火力発電所のトラブルが相次いでいる。電力各社の発表を独自に集計したところ、6月以降の2ヵ月半あまりの間に、運転停止や出力抑制に追い込まれた発電所が19ヵ所に及んだことが明らかになった。

火力発電所の酷使をどう解決するか

幸い、お盆休みシーズンの到来で、大規模な停電といった事態には至っていないものの、全国の原子力発電所が運転を停止する中で、値上げを抑制されて十分なメンテナンスもできないまま、電力各社が老朽化した施設を含めて火力発電所を酷使してきたことのツケの大きさが浮き彫りになった格好である。

今冬や来夏など次の電力需要のピークに向けて、より大胆な節電策を経済への悪影響を覚悟の上で講じるか、それともメンテナンスや設備の更新のため電気料金の大幅な値上げを甘受するか、あるいは再稼働のために原発の安全性確立の加速を求めるのかーー。

暮らしや経済を守るために、政府や電力会社だけでなく、我々も目を瞑り続けることを許されない問題が存在することをそろそろ自覚すべき時期ではないだろうか。

別表「今夏の主な火力発電所のトラブル」を見ていただきたい。

19のトラブルのうち、電力会社別にみて最もトラブルが多いのは、砂川発電所3号機、奈井江発電所1号機など6発電所の不具合を発表した北海道電力だ。6ヵ所と言えば、全体の3分の1に迫る水準である。

その背景にあるのは、歴史的に見てもともと北海道電力の収益力がぜい弱なこと。大企業など大口需要家が乏しいにもかかわらず、厳しい冬に備えて送配電網を広域にわたって整備するため、他社よりコストがかさむという経営上のハンディキャップがあるからだ。

加えて、東日本大震災以降、泊原発の運転停止が長期化する中で、経済産業省によって再三にわたり値上げの申請を拒絶されたり、実現しても値上げ幅を圧縮されたことが苦境に拍車をかけた。結果として、資金繰りの苦しさから、火力発電所のメンテナンスが十分にできなかった弊害が、ここにきて一気に露呈した形になっている。

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