【舛添都知事日記】私の訪中を機に習近平政権は政経分離を打ち出し、訪韓を機に韓国マスコミの論調は変わってきた
銀座で買い物し、商品をスーツケースに詰める中国人観光客(2014年1月)〔PHOTO〕gettyimages

Win-Winの関係は都市外交の成果

お盆休みに、富士山麓に家族で出かけた。大勢の中国人観光客に驚いてしまった。困っている中国人に助け船を出すと、「謝謝(シェイシェイ)」と喜んでくれる。各地に中国語表記があり、中国語を話すことのできる店員もいる。中国からはるばるやってきた観光客は、富士山の雄大さ、そして美味しい水と空気を満喫し、お土産をどっさりと買い込んで、日本経済に貢献してくれている。

都心に戻って、銀座で食事をしたが、大型バスで中国人が買い物に来ている。高級ブランド品が飛ぶように売れている。購入したお土産を収納するために、スーツケースを買い足すので、銀座のスーツケース専門店は笑いが止まらないという。また、デパートでは免税手続きのコーナーが狭すぎて、長蛇の列ができている。もう少し工夫すれば、もっと売り上げが上がるであろう。

4月末に、京都知事として18年ぶりに北京を公式訪問したが、その成果の一つが、このような中国人観光客による賑わいである。習近平政権は、私の訪中を機に、明確に政経分離の方針を打ち出した。自治体交流、民間交流をすべて解禁したのである。お互いに、反日、反中でいがみ合っていても、良いことは何もない。中国で日系デパートが焼き討ちや略奪にあう光景よりも、銀座のデパートが中国人の買い物客で溢れんばかりになっている光景のほうが、夢も希望も湧いてくる。

Win-Win(ウィン・ウィン)の関係とは、そういうものである。これこそが、都市外交の成果なのである。11月には、北京でAPECが開かれる。北京市長もその準備で忙殺されていると聞く。ぜひとも、日中首脳会談を実現させたいと思う。少しずつではあるが、関係改善の兆しが見えはじめている。

都知事としても、できるだけの努力を払いたい。そのため、中国のメディアに働きかけたり、要人との交流を強化したりしているし、また北京の出版社から中国語で『世界一の都市を目指す東京』(仮題)という本を出す予定もある。

両国民間で交流を深めれば、相互不信感も無くなるし、政治対立を克服して経済成長に全力をあげることができる。お互いに豊かになることが重要である。

韓国との関係についても、同様である。嫌韓論やヘイトスピーチが跋扈する状態では、韓国人観光客も日本に来る気がしないであろう。ウィン・ウィンの関係どころか、お互いに損を重ねてきている。7月末の私の訪韓以来、韓国のマスコミの論調も変わってきている。

中央紙のみを見ても、朴槿恵大統領に対して、我を張らずに安倍首相と対話しろ、という主張する社説が増えている。従軍慰安婦、歴史認識、竹島などの問題で、そう簡単に意見の一致が見られるとは思えないが、日韓両国の関係にも明るい光が差し始めている。

ヘイトスピーチに対しては、一地方自治体の問題ではなく、国全体で対処すべき問題であり、国会できちんと法律を通して全国レベルで規制すべきだと思う。表現の自由との関連は重要であるが、人種差別は日本国憲法の基本理念から背反している。

先般、安倍首相と会談した際に、自民党で対応するのが最も適切であるということで見解が一致した。安倍総裁の指示で、自民党政調でチームを作って検討作業に入ることになった。これも日韓関係改善につながると思う。

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