これが中国4000年の権力闘争だ「粛清と陰謀」が日課あな恐ろしや、習近平超大物・周永康の逮捕で、歴史はまた繰り返される

2014年08月20日(水) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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「江沢民にとって第1候補だった曽慶紅副主席は、1939年生まれで年を取り過ぎた。第2候補だった陳良宇上海市党委書記は、'06年に胡錦濤政権によって失脚。第3候補だった薄煕来商務部長は、あまりに有能で、自己のコントロールが利かなくなる懸念があった。それで習仲勲元副首相の息子の習近平に、『第4の候補』として白羽の矢を立てた。凡庸で無能な習近平なら、外から意のままにコントロールできると踏んだのです」(同・李氏)

こうして'12年11月の第18回共産党大会で、胡錦濤総書記が引退し、習近平が総書記を継いだ。

だが、それまで猫を被っていた習近平は、最高権力者の座に就いたとたん、牙を剥き出しにしたのだった。李氏が続ける。

「習近平の党総書記としての『初仕事』は、何と自分をトップに抜擢してくれた江沢民を、最高幹部の職住地である『中南海』から追い払うことだった。中国語で『狡賢いウサギを捕まえた犬は、用無しとなって煮られる』という諺があるが、習近平はまさに、この諺を地で行く荒技に出たのです。

習近平にしてみれば、それまで非力だった自分が権力基盤を確立するには、2大派閥の『団派』(中国共産主義青年団出身者=胡錦濤派)か『上海閥』(江沢民派)を切り崩していくしかなかった。両派を比較すると、団派は8000万人もいる上に、比較的従順なグループ。それに対し上海閥は、石油・鉄道・公安・水利など、巨大利権を山ほど抱えている上、高齢化が進んで脆弱になってきていた。そこで、一気呵成に江沢民一派に襲いかかった」

子飼いだと思っていた習近平新総書記に、いきなり北京から追い出されるとは思いもよらなかった江沢民は仕方なく上海に避難した。

すでに5万人が消えた

だが、最高権力を握った習近平は容赦なかった。就任した翌月の12月、過度な接待など8項目を禁じた規定を発表。そのスローガンは、「トラ(幹部)もハエ(小役人)も同時に叩く」。だが実際に叩いたのは、主に江沢民派の幹部たちだった。

「犠牲者第1号」となったのは、李春城四川省党委副書記だった。「李春城は四川省に愛人を200人も囲っていた」「隠しマンションも100軒保有していた」などという報道を連日、官製メディアが行って失脚させたのだ。李春城は、周永康を通じて「四川省利権」を江沢民に献上していたキーパーソンだった。

続いて、中国の富の6割強を握る国有企業群を統轄する蔣潔敏国有資産監督管理委員会主任が、昨年9月、就任わずか5ヵ月余りで失脚した。蔣主任は元中国石油社長で、やはり「国有企業利権」を江沢民に献上するキーパーソンだった。

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