雑誌
佐世保「高1同級生惨殺」事件 すべて私のせいなのか……人生はある日突然、狂い出した 早大卒・弁護士・53歳加害者の父「悔恨と慟哭の日々」

妻を亡くして、3ヵ月で再婚したのはいけないことなのか/
再婚相手に何と説明したらいいのか/予兆はあったが/
これから娘とどう向き合えばいいのか/何もかも失って……

熱心に築き上げてきた地位や名誉は一瞬で消え去った。同級生をバラバラにするという類を見ない事件が、加害者の父を絶望の淵に追い込んでいる。親娘はどこで道を誤ってしまったのだろうか—。

完全無欠の一家だったのに

「あれほどの事件を起こした娘の親となれば、佐世保で弁護士を続けるのはもう不可能でしょう。仕事がなくなるんだから、この街にはいられなくなるんじゃないですか。有名人だったのが、かえってアダになってしまった。いままで外面が良かったぶん、騙されたと失望する人も多いですよ」(加害者の父の知人)

もしかして、自分は子育てに失敗したんじゃないか—。子を持つ親なら、誰でもそう不安になる瞬間があるはずだ。だが親子のすれ違いが、ここまで取り返しのつかないことになるとは、誰が想像できただろう。

7月26日、長崎県佐世保市内で起きた事件を、簡単に振り返ろう。それは、国道35号線沿いのマンションで起きた。地元の高校に通う16歳の女子生徒(以下J子)が、中学校からの親友、松尾愛和さん(15歳)を惨殺し、バラバラにしたのだ。

犯行時刻とみられる20時ごろ、2人はJ子がひとり暮らしをするマンションの一室で過ごしていた。2人きりの空間で、J子は愛和さんの頭部を何度も鈍器で殴ったのち、実家で飼っていた犬のリードで絞殺。さらに遺体の首と左手首は切断され、事件現場には、腹部を切り裂かれた愛和さんの無惨な姿が残されていた。

事件後、J子は警察の取り調べに対し「中学生の時から殺人欲求があった」「(中学の頃から繰り返し行っていた猫の解剖を)人間でも試してみたかった」などと淡々と供述。凶器として使われたハンマーやノコギリは事前に購入されたものであることが判明し、殺人が計画的なものだったことが明らかになった。

日本中を驚かせたこの事件の加害者となったJ子の育った家庭は、傍から見れば完全無欠に近い、誰もが羨むエリート一家だった。

冒頭で知人が語っているように、父親のA氏(53歳)は、佐世保市内で「超」がつくほどの売れっ子弁護士だ。'85年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、3年間にわたる猛勉強の末、司法試験に合格。'90年から市内の弁護士事務所で4年間の下積みをした後、独立し事務所を立ち上げた。現在市内に構える法律事務所は7名の弁護士が所属しており、「県内で最大、九州でもこんなに大きな弁護士事務所はないという規模」(A氏をよく知る弁護士の友人)だという。

弁護士としてのA氏の腕には定評があり、同市内に本社を置く大手通信販売会社「ジャパネットたかた」や、地元の老舗企業の顧問弁護士も務めていた。