防衛・安全保障
安倍首相悩ます改造人事、「石破安保相」押し切ればしっぺ返しも

人事面において、政界が官庁、民間企業と根本的に異なるのはその人事が国民注視の下で行われ、その評価がただちに内閣支持率の上昇、あるいは低下となって表れることだ。官庁、企業の人事は組織内が機能するかどうかだけの観点で行えばいい。しかし、政界の人事、とりわけ9月3日ごろに行われる内閣改造・自民党役員人事は支持率に大きな影響を与え、第2次安倍政権「第2章」の行方を左右することになろう。

菅官房長官、3副長官は順当に留任

首相・安倍晋三は9日、原爆犠牲者慰霊平和祈念式典出席のため訪れた長崎市内のホテルで記者会見し、内閣改造について「官邸のまさに要になっている官房長官には、安定的に政策を進めていく上で今後とも引き続きその職にとどまってもらいたい」と述べ、官房長官・菅義偉を留任させる意向を表明した。内閣改造の1カ月近くも前に「発令」するのは極めて異例だ。

しかし、違和感は全くない。菅が600日近く続いたこの政権で果たした役割や、第1次安倍政権で総務相を経験し、今後取り組む最大課題である地方創生のツボを心得ていることを考えれば順当な人事と言える。

1次政権の反省を踏まえたという点で注目されるのは菅の留任と合わせ、加藤勝信、世耕弘成、杉田和博の3官房副長官の留任も表明してしまったことだ。1次政権で首相補佐官らスタッフを重視した結果、各省との対立が深まり、政権が機能不全に陥ってしまった。

この反省から、2次政権では「官房長官─官房副長官」というライン重視に切り替えた。かつ、菅は3副長官に任せるべきところは任せ、安倍の言の通り、扇の「要」の役割を果たしている。

安倍は首相補佐官も留任させる考えを示したが、あまり大きな意味はない。この政権での首相補佐官の役割は小さい。

首相補佐官のうち、国会議員は衛藤晟一(参院当選2回、衆院4回)、礒崎陽輔(参院当選2回)、木村太郎(衆院当選6回)の3人。いずれも、安倍に対する忠誠心は強いが、政権への貢献度はそう高くない。しかし、首相補佐官を外すと、閣僚や副大臣などで処遇せざるを得なくなるという事情を考慮したとみられている。

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