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2014年08月19日(火)

国や医師会が批判する「混合診療」を導入すれば安全性が上がる---上昌広『医療詐欺』第7章より

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上 昌広医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社)第1章「先端医療と新薬を支配する「医療ムラ」は癒着と利権の巣窟」より

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不都合な真実⑭ 国や医師会が批判する「混合診療」を導入すれば安全性が上がる

生活苦で薬が買えない

医療費抑制という「数字合わせ」による実害が、じわじわとみなさんに及びつつあることをご理解いただけたらと思いますが、実はすでに一部の患者やその家族は、生存権を奪われるほどの致命的なダメージを与えられています。

その患者さんたちとは、「慢性骨髄性白血病」という病気にかかった方たちです。

年間の発症者数は1200人、現在は国内で8000人という大変珍しい病気ですが、2007年にこの患者さんやその家族の方たちから、このような相談が私たちの研究室に多数寄せられました。

「グリベックの薬代が高くて、この病気を抱えたままでは結婚できません」
「店を夫と二人で切り盛りしているのですが、夫が高価な薬は止める、といってグリベックを飲んでくれない」

グリベックとは、第1章でもすこし触れましたが慢性骨髄性白血病の画期的な治療薬で、これを服用している間は病気が再発をしないという効果の高さから世界的に使用されています。まさしく「慢性骨髄性白血病の命綱」ともいうべき薬である一方で、ひとつ大きな問題を抱えています。

それは、1錠2,617円(2014年4月改定)と薬価が非常に高いのです。

グリベックの処方としては1日に四錠なので、1日1万467円。年間にすると、382万円にものぼるのです。

患者の自己負担は1~3割ですので、実際に払うのは38万~115万円。これでも一般的な家庭からすれば、かなりの重い負担といわざるをえません。

もうおわかりでしょう、先の相談というのは、リーマンショックが発生して世界的な不況の波が家計にも押し寄せたことで、グリベックを諦めなくてはいけないという悲痛な叫び声なのです。 

医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい
著者=上 昌広
講談社/907円(税込み)

◎内容紹介◎
STAP細胞騒動、終わりなき患者のたらい回し、何を信じてよいのかわからない高度医療の実態・・・、医療崩壊列島ニッポンで超高齢社会を生き抜くための 知 恵を、「医療ガバナンスの旗手」が授ける。本当に役立つ医療とは? 医療をダメにする本当の「癌」とは? 患者=一般市民だけが知らない「医療の不都合な真実」を糺す!

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