「困りごと」はビジネスチャンス──ヤマトグループがビジネスで取り組む地域活性化支援
玉村雅敏・横田浩一・上木原弘修・池本修悟著『ソーシャルインパクト』【第2回】

『ソーシャルインパクト〜価値共創(CSV)が企業・ビジネス・働き方を変える』(産学社)より抜粋

第1回はこちらからご覧ください。

ヤマトグループが挑戦する「プロジェクトG」

筆者の玉村雅敏

世の中にある「困りごと」は、ビジネスを生み出すチャンスになります。人が困っていることに手を差しのべること。それがビジネスの基本だからです。

これを見事に体現しているのが、宅配便市場でトップを走るヤマトホールディングス(以下、ヤマト)の取り組みです。同社は、ヤマト運輸のデリバリー事業を軸に、ヤマトロジスティクス、ヤマトホームコンビニエンス、ヤマトシステム開発など、主に6つの事業をグループの柱として展開しています。

地域社会と企業が共通する価値を、本業を通じて実現する」。同社はこのCSV(Creating Shared Value : 共有価値の創造)の考え方を明確に打ち出し、事業活動を展開していることも特筆されます。宅急便は、社会インフラとして日本人の生活にすっかり定着しており、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)はもとより、企業や事業のあり方としてCSVを追求しているのです。

最近では高齢化や過疎化、人口減少など社会構造の変化も著しく、同社はこうした問題に対し、地方自治体と一緒になって取り組んでいます。たとえば、65歳以上の住民が人口の半数以上を占める高知県大豊町では、商工会と協力し、地元の商店を利用した買い物支援と高齢者の見守りを行うことで、地域での活動を展開しています。

同社はこうした取り組みを「プロジェクトG(ガバメント)」と名付け、全国各地で推進しています。これまで、地域住民の生活を支援するサービスは主に自治体が担ってきました。しかし、自治体の財政状況の悪化や高齢者の増加、民生委員の高齢化などによって、地域住民へのサービスが低下したり、サービスそのものの存続が困難になったりしているのが現状です。

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http://www.libro.jp/blog/ikebukuro/event/820.php

『ソーシャルインパクトー価値共創(CSV)が企業・ビジネス・働き方を変える
玉村雅敏編著 横田浩一・上木原弘修・池本修悟著 

青学社/1800円+税
人のつながり(ソーシャル)という資源を、ビジネスに活かせていますか?人と人のつながりのネットワークを機能させ、価値共創の好循環を生み出す、「ソーシャルインパクト」。モノが売れにくい成熟時代に、このソーシャルインパクトを企業戦略や経営資源のひとつとして活用する実践事例が、企業、自治体、NPOなどの垣根を越えて、いま日本中で続々と現れています。本書では、さまざまな分野の専門家による約200社の調査にもとづき、他人ごとの空気を変え、共感の連鎖を巻き起こした仕組みを紹介。ソーシャルインパクトが変える、市場・マーケティング・働き方・組織のあり方、そしてチームのつくり方を解説します。成熟企業にイノベーションを起こすヒントが詰まった1冊。
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