毎日フォーラム~毎日新聞社

水門撤去で球磨川の清流回復に期待
熊本県知事の決断から4年余 全国初の取り組みに注目[荒瀬ダム]

2014年08月13日(水) 毎日フォーラム
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ほぼ全ての水門が撤去された荒瀬ダム=熊本県八代市で5月21日

ダムを完全に撤去し、自然の状態に戻す全国で初めての取り組みが熊本県八代市の県営荒瀬ダムで進んでいる。県が1955年に発電専用のダムとして建設した荒瀬ダムは、老朽化や川の水質悪化の原因になっていると指摘され、蒲島郁夫知事が2010年に撤去を決断。水門開放から4年以上がたち、球磨川(全長115キロ)に清流が戻りつつある。一方で上流にある発電用ダムについて、国は水利権の更新を許可。地域住民らからは環境再生のスピードが鈍るのではとの声も上がっている。


今年5月23日、8枚あった荒瀬ダムの最後の水門の一部がクレーンでつり上げられ、トラックに積み込まれた。鋼鉄製の水門は、1枚が幅約10~15メートル、重さ約48~79㌧。事前にガスバーナーで小さく切った上、搬出した。これで12年9月に始まった水門の撤去が完了。今年11月ごろには、コンクリート製の土台部分の解体作業に入る。

撤去はダム建設から48年目の02年、地元の坂本村(現八代市)が県に要望した。ダムが建設される前は球磨川には毎年数千万匹ともいわれるアユが遡上していたが、ダム建設後にダム湖にヘドロがたまり、悪臭など環境が悪化。漁獲量が激減した。蒲島知事は10年2月に撤去を最終決断する。

県企業局の内部留保資金や国の交付金などから撤去費用88億円を工面し、6年がかりという前例のない大がかりな工事が進むが、変化は確実に表れた。

アユが取れる川に

撤去に先立ち同年4月から水門が常時開放されると、それまでせき止められていた水流が戻り、アユの餌場や産卵場になる「瀬」が徐々に復活した。

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