『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』

レビュー:田中 大輔

昨年、地元の駅が改装されて、その中に成城石井ができた。それからというもの輸入菓子や、ワインなどをよくそこで購入するようになった。輸入菓子はちょっと高いけれども、成城石井じゃないと売ってないものも多くとても重宝している。

ワインを買うときはつまみになるチーズやオリーブも一緒に買いたいとおもっているのだけど、あまりに種類が多すぎて、いつもどれを買ったらいいのかわからずに、購入をあきらめている。それにしても、なんでオリーブだけでこんなにたくさんの種類を置いているのだろう?と思っていたら、この本に答えが載っていた。

"買い物というのは、選ぶ楽しみがあるわけですよね。それを店の中に必ず残しておきたいと思っているんです。"

これは成城石井の社長である原昭彦氏の言葉だ。成城石井では顧客が自分のタイプに合わせて、商品を選べる売場をつくるという意思を持っているのだという。顧客の趣味嗜好は様々であるから、そこには正解がない。それならばどれを選んでもらっても、常に高いクオリティのものがあるというのが大事だと考えているのだという。

これはものすごく非効率なことだとおもうのだが、成城石井では効率というものをあまり重視していない。もちろん無駄な部分は徹底的に削っているが、「お客様のために」なることであれば、そこに効率は求めない。そんな企業の姿勢がこの本からは見えてくる。この効率を求めないというのはこれからの時代、重要なキーワードになってくるのではないか? と私は思っている。