ときど『東大卒プロゲーマー』【第4回】僕の人生を切り拓いたのは、冷静さでも合理性でもなく、身を焦がすような情熱と闘争心だった

※『東大卒プロゲーマーー理論は結局、情熱にかなわない』(PHP新書)より抜粋

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勝者が食い物にされる世界

美しく、そして破壊力抜群の連続技は、いつの時代も格ゲーファンを興奮に駆り立ててやまない。決まれば格好いいし、拍手も起きやすい。だがしかし、プレイヤー目線でいえば、それだけでは全然勝てない。格ゲーには常に相手がいる。自分が途方もない時間をかけて技を磨き上げようと、相手の力量如何ではまったく通用しないことがあるのだ。

そこで必要なのが、対戦相手の過去の試合を研究し、その相手にふさわしい戦略を立てること。僕が何より重視している、「対策」である。

戦略とは、ある目的を達成するために練るものだ。格ゲーにおける目的とは、「自分の体力を使い切る前に、相手の体力をなくす」ことである。これだけ見ればシンプルだが、目的を遂行するプロセスにおいてキャラをどう操るか、相手のキャラはどう対応するのか、そこには無数のバリエーションがある。

対戦相手(人間)と、相手が使うキャラクター、そしてその場の状況。すべてを組み合わせて想定される事態に対し、準備しておくこと。これが対策だ。

既に格ゲーファンである皆さんにも、これから一回見てみようかなと思っている皆さんにも、ぜひ知っていただきたいことがある。連続技をきれいに出すのは初歩の初歩。その裏で行われている熾烈な「知恵比べ」まで読みとってもらえたら、格ゲー観戦は飛躍的に面白くなると思う。

そんなわけで、大会の日が迫ってくると、僕は特別な練習メニューを用意する。すでに対戦が決まっているプレイヤー、あるいはトーナメントに勝ち上がってくる可能性の高いプレイヤーと闘うときのための対策を練るのだ。具体的には、まず彼らの対戦映像をチェックする。最近では動画投稿サイトに映像がアーカイブされるようになり、この作業が手軽にできるようになった。理想をいえば、自分との対戦動画があれば望ましい。

ときど著
『東大卒プロゲーマー論理は結局、情熱にかなわない』
PHP研究所/760円+税


初めて明かされる「なぜ東大を出てプロゲーマーになったのか」への回答
麻布中学・高校を経て、東京大学理Ⅰに入学。同大学工学部4
年次には、バイオマテリアル研究の成果論文が国際学会でポス
ター賞を受賞――そんなエリート街道まっしぐらの著者が選んだ職
業はなんと、「プロゲーマー」だった。
本書は、ゲーム業界でその名を知らない者はないスタープレー
ヤー「ときど」氏が、ゲームと出会い、とある挫折を経てプロ入りの
決意に至るまでと、さらにプロ入り後、「理論」という最大の武器を
手放すことにした経緯を語り尽した、自省と開眼の書である。
ゲームの攻略方法を勉強や研究に生かして成果を上げてしまう
ほどの優等生に、一体、何が起きたのか---。

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