"求愛"も"身の安全"も一発で解決。これがカメムシのスゴワザだ!
~日本におけるカメムシ研究のリーダー~
友国先生が発見し、命名した「ウスイロカモドキサシガメ」。体長は7mm内外。
国立科学博物館名誉館員・名誉研究員
友国雅章先生

1946年、兵庫県生まれ。京都府立大学農学部、愛媛大学大学院農学研究科修士課程などを経て、1976年から、国立科学博物館動物研究部研究員。2011年より、国立科学博物館名誉館員・名誉研究員。専門は、昆虫系統分類学、動物地理学。特にカメムシについて長年研究

カメムシのプロフィール

松尾貴史(以下、松尾) 本日のゲストは、カメムシについて長年研究されている友国雅章先生です。カメムシというと、くさいにおいを出す、あの虫ですよね。まずは、カメムシについて教えてください。

友国雅章(以下、友国) カメムシとは、広くいえばカメムシ目に属する昆虫の総称です。特徴的なのは口。口が注射針のような細長い形をしていて、そのなかに口針(こうしん)というさらに細いストロー状の口があり、それを標的に突き刺して汁を吸い、栄養を摂ります。

岡村仁美アナウンサー(以下、岡村) 私のなかでは、害虫というイメージが強いのですが・・・。

友国 おっしゃるとおり、農作物に加害したり、植物の病気のウイルスを媒介するものもあります。

松尾 人間の都合でいうと害虫になる。

友国 ええ。主に、植物の細胞のなかにある原形質、つまり細胞の生きた部分を吸いますから。

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松尾 ちなみに、カメムシは草食なのでしょうか?

友国 なかには肉食性のカメムシもいます。肉食性のカメムシは、獲物に口針を刺したら、口からタンパク質を溶かす消化液を出して、溶けたものを吸いこみます。

松尾 ちょっと怖いですね(笑)。そんなカメムシですが、種類がものすごく多いということに正直ビックリしました。ここに先生が監修なさった『日本原色カメムシ図鑑』(全国農村教育協会、1993年)という本があります。厚さ2.5㎝ ぐらいの図鑑ですが、ここに載っているのは、なんとすべてカメムシなんですよ!

友国 その本には350種ほど出ているのですが、続編が2冊出ています。3巻全部揃えると、日本産のカメムシを85%程度は網羅できます。

松尾 3巻分でもまだ85%(笑)!? 日本だけでどれくらいいるんですか?

友国科の数がおよそ50。種の数でいうと1200種ぐらいでしょうか。

松尾 1200種もいるんですか! それにしても、先生のカメムシ図鑑を見ると、色、形状、大きさ、質感などさまざまで、どれも同じカメムシとは思えないぐらいにバリエーションが豊富です。

友国 ええ。でも、特徴的な口を見れば、すぐにカメムシだとわかるんですよ。

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