伊藤博敏「ニュースの深層」
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笹井芳樹氏自殺の背景ーー
小保方晴子氏が開けてしまった研究界の「パンドラの箱」

2014年08月07日(木) 伊藤 博敏
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小保方晴子氏はSTAP細胞再現実験を続けなければならない  photo Getty Images

小保方氏を気遣った笹井芳樹氏

再生医療研究の第一人者である笹井芳樹氏が自殺、各界に衝撃が走った。

「STAP細胞を必ず実現させて下さい」

小保方晴子・研究ユニットリーダーに宛てた遺書には、そういった趣旨の言葉が残されていたという。

ノーベル賞候補の天才研究者と言われ、再生医療の分野で世界的な注目を集めてきた笹井氏は、理化学研究所の発生・再生科学総合研究センターをリードしてきた。
小保方氏の研究が、ネイチャー誌に掲載され認知されたのも、STAP論文の責任著者のひとりだった笹井氏の存在が大きかった。

その笹井氏の死は、「STAP細胞が存在するかどうか」というところにまで膨らんだ疑惑の全容解明が難しくなったことを意味する。だが、解明の努力を怠ってはならない。

笹井氏の気遣いを受けた小保方氏は、再現へ向けての実験を続けなければならず、理研や大学を含めた研究界は、画像やデータの捏造や改ざん、剽窃の横行といった「研究最前線」の不正を正さねばならない。

理研のある研究者は、「研究者は不正をしない」という基礎研究の世界の性善説を覆し、論文も画像もデータも実験ノートも、すべて疑ってかからなくてはならなくなったという意味で、「小保方さんは、研究者が封印してきた様々なパンドラの箱を開けてしまった」という。

その箱の中身のひとつに、乱発される博士学位がある。

次ページ 疑惑に包まれた小保方論文は、ネ…
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