「地域再生」より、都会と田舎に住む「二地域間居住」の推進を!

2014年08月05日(火) 田村 耕太郎
PHOTO by GettyImages

地域再生は地方選対策になる!?

シンガポールへの引っ越しがようやくひと段落した。私の引っ越しの経緯については追って、このコラムで紹介させていただきたい。

引っ越しの前に地元である鳥取県鳥取市に帰省した。やはり地元は落ち着くし、一家団らんは楽しい。しかし、そのなかで話題になったのは、深刻な「人口減少」と「高齢化」。私の地元に限らず、地方は国の課題を先取りしている傾向にあるが、特に私の家族のような地方都市で事業をしている人たちに、人口減少と高齢化が大きな影響を及ぼしているということを痛いほど感じている。

安倍総理は次期臨時国会で「地域再生改正法」を提出し、地方の人口減少を食い止めるための予算をつけていくという。政治的には正しい判断だと思う。来春に待ち構える統一地方選挙において、滋賀県知事選挙の苦杯を挽回するために、地方に予算をつけて得票を狙っていくというわけだ。

しかし、日本の財政からみても、今後、継続的に地方に予算をつけていくことは難しい。持続可能な政策ではないと思う。もはや通常の人口対策では、この問題は解決できないであろう。私はここで、「地域再生」ではなく、「二地域間居住」を提案したい。予算をつけた政策によって、若い人たちを田舎に移住させるのではなく、国民全体が地方と都市を行き来しながら生活できるようにするのだ。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。