メール一本で、みんなにさようなら そのための準備と注意を教えます【第4回】最後の気がかりはこれ 死んだ後に、あなたのパソコンの記録をどう消すか

パソコンとゼロ死の関係を考える上で忘れてはならないのは、「遺していくパソコンのなかの、家族や他人に見られたくないデータを、自分の死後にどうしたらいいか」という問題だ。

家族の問題を他人に相談したメールのやりとりの記録や、書きかけてやめた遺言、仕事で業務上知り得た機密情報—。もちろん、興味本位でダウンロードしたアダルト画像など。自分の死後、思いがけず家族や友人を傷つけたり、自分の印象を悪くしてしまう情報は、意外と多いものだ。

生前なら、誤解が生じても自分自身で説明し、名誉を回復したり、相手を慰めたりすることもできるが、死後のこととなるとそうはいかない。だからこそ、なおさらしっかり対策しておきたい。

葬儀社勤務の経験もあり、IT技術と死の関係を取材しつづけている、フリーライターの古田雄介氏はこう話す。

「一番の対策は、『自分が死んだら、パソコンのなかのこれとこれだけはこうしてくれ』と明確にガイドをして、遺族が余計なことをしなくてもパソコンのチェックを終えられるようにしておくことでしょう」

たとえば前章までに述べたように、死後に友人知人に送ってほしいメールの保存場所などをはっきり伝えておけば、関係のない文書や画像がむやみに開かれるリスクは下がる。一方で古田氏は、

「見られたくないインターネットの履歴などは、毎回必ず消せばよいのですが、そうは言っても、こうしたことを習慣化するのはなかなか難しいものです」

と指摘する。

ちなみに、インターネット・エクスプローラーの場合ならば、「ツール」タブ(歯車のマークの部分をクリック)から「インターネットオプション」を選び、「閲覧の履歴」の項目で「削除」ボタンを押すと、過去のインターネットの閲覧履歴を削除できる。だが、いちいちこれをやるのは、確かに面倒ではある。

もちろん、ある程度パソコンに習熟していれば、こうした手間を省く方法がないわけではない。

「パソコンの操作が得意な方なら、自分の死後に他人には見せたくないデータを消してくれるフリーソフトを使う方法があります。

有名なものとしては、『死後の世界』や『僕が死んだら…』があげられます」(古田氏)