賢者の知恵
2014年08月14日(木) 週刊現代

メール一本で、みんなにさようなら そのための準備と注意を教えます【第1回】徹底コーチ「返信不可」と書くのを忘れないように 何を書くか、誰に送るか、どうやればいいのか

週刊現代
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「突然ですが、私は昨日、死にました。通夜・葬儀は行いません。墓もありません。お世話になりました」

葬式もせず、いわゆる墓も持たず、人間関係のゴタゴタも、遺産や遺品もなし。余計なものは何も遺さず、迷惑をかけず、ゼロになって逝きたい人の最先端のお別れ術。大反響特集第3弾!

自分の言葉でお別れする

自分の死後は葬式もせず、いわゆる旧来型の墓もいらない。遺品・遺産の類も極力整理して、最小限にしておく。そして、あとには何も遺さない—。

いま、こうした「無死」を求める人が急増している。そんななか、さらに新しい動きが60代70代の人々を中心に出始めていることがわかってきた。

〈前略 突然のことで驚かれるでしょうが、私は過日、この世とお別れすることになりました。このメールは万が一の際、みなさんに送るようにと家族に言い残したものです。これまでのご厚情に深く感謝いたします。

私のわがままで、通夜・葬儀は行わないよう言ってあります。墓もありませんので、お参り等も無用です。略儀ながら、最期のご挨拶は自分で書いた文章をお送りしたいと考えましたが、かえってお騒がせすることになるかもしれません。どうかお許しください〉

—これは東京・台東区に住む田口博一さん(仮名・68歳)が、学生時代の友人から受け取ったeメールの書き出し。正確には、友人の意向で本人の死後に家族が発信したものだ。

いま、こうした「最期の挨拶」をメールで送り、さらりとこの世に別れを告げる人が急増している。そうした動きに呼応するように、インターネット大手のYahoo!が死後に最大200人にメッセージを送ってくれる新サービスを開始するなど、これまでの常識を一新するうねりが起こりつつある。Yahoo!については後述するが、実際に友人から死後のメールをもらった田口さんはこう話す。

「もらったときは仰天しました。何かの冗談かと思ったけれども、読んでみるとあいつらしさがにじみ出ていて、自然と涙が出てきた。闘病中は我々に連絡してこなかったけれども、がんで体力が落ちていくなか、病室に持ち込んだパソコンで少しずつメールを書いていったんだそうです。律儀な男だったから、自分の言葉で最期の挨拶をしておきたいと思ったんでしょう」

ゼロ死という言葉こそ使わなかったが、友人は以前から葬式不要、墓不要という主義だったという。

「思いがけないことでしたが、あいつからメールをもらって、あらためて自分の死について考えましたね。いわゆる普通の葬式には、もう何度も参列してきましたが、あれが本当に自分のやりたいことなのかって。メールでいいから、自分の思いを自分の言葉で伝えて逝くほうが、私も思い残すことなく去っていけるんじゃないかってね」(田口さん)

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