立花隆のセカンドステージ大学「現代史の中の自分史」講義 【第3回】---自分史本文を読み易くする

「これからの人生(セカンドステージ)のデザインになにより必要なのは、自分のこれまでの人生(ファーストステージ)をしっかりと見つめ直すことである。そのために最良の方法は、自分史を書くことである」。(『自分史の書き方』より)

熟年層や就活生を中心に昨今ひそかなブームとなりつつある「自分史」。自分の人生を知る最良の方法でもあるこの自分史の書き方のノウハウを、「知の巨人」立花隆氏が一冊の本にまとめたのが、その名もズバリの『自分史の書き方』(講談社刊)である。その一部をご紹介していきたい。


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立花隆 セカンドステージ大学「現代史の中の自分史」講義内容記録(内容別統合)
講義日:2008年4月17日~2008年7月10日 全13回


【目次】
1.  第1章: 自分史作りを始めよう
2.  第2章: 自分史年表を書こう、人間関係関連図をつくろう
3.  第3章: 自分史本文を書き始めよう
4.  第4章: 社会の一員として現代の記録を残す
5.  第5章: 立花隆式文章作法
6.  第6章: 本文を読み易くする
7.  第7章: 自分を見つめ直す
8.  第8章: 内容を深く・厚くしていく

9.  第9章: 大きな視点で自分を捉えよう
10.  第10章: 仕上げよう

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第6章: 自分史本文を読み易くする

1.自分の仕事を分かり易く書くには(第6回講義)
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(ア) 自分のやっている仕事を、そのことだけ書いても、読む人には分からない。

(1) 社会全体、経済全体の中で、その仕事に関連したことは、どのような流れに
なっているか
(2) その全体の中で、自分の属する企業は何をやっており
(3) 自分の部署は何をやっており
(4) そして自分は何を分担したか
(5) という構造になっているので、まず全体を示して、つぎに全体の中で自分は何をやっているかを書くと分かり易くなる。

(イ) 仕事の成功、失敗も、全体の流れの中で説明すると分かり易くなる

(ウ) 仕事の成果を書くとき、それが新聞等に出たときは、その記事そのものを自分史の中に貼り付けると、読む人に訴える力が増す。特に三大紙、日経などに載ったものは。

(エ) 仕事を書くときに参考になる本の紹介

(1) 「仕事」スタッズ・ターケル著、中山容他訳
世の中に何万とある仕事について解説した本

(オ) 社会の大きな出来事の現場にいた人は、そこをしっかり書き込んで欲しい。

(カ) 書き込まないとその世界にいた人にしか分からない内容になってしまいます。

2. より良い文章を書くために(第7回講義)
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(ア) 一工夫した見出しを入れる。ただ単に見出しをつけるのではなく、より興味をそそる見出し、内容を反映する見出しにする。例えば、先生をやられていた方が、「私の二十四の瞳」という見出しをつけた。内容を良く表しており、また引き付ける表現である。

(イ) 写真、イラストでアクセントをつける。直接関係したものが望ましいが、文章の内容に直接関係した写真が残っていない場合は、何らかの関連があるものであれば、使って良い。自分の人生に影響を与えた本の写真、新聞記事の写真、なども良い

(ウ) 事柄と気持ちと両方を書く。事柄を省略して、気持ちだけ書くと、浮いた文章になってしまう。気持ちを省略して短くしたら、つまらない文章になってしまう。

(エ) 数字を入れると説得力が出る。

(1) 「増えた」とだけいうのではなく、「○○倍に増えた」、「以前は○○、自分がやって□□になった」等、数字を入れると説得力がでる。
(2) これを、表形式で示すと一層分かり易い。

(オ) 言葉(単語)の使い方は、細かく気にすること

(カ) 自分が読んで分かれば良いというのではなく、他人が読んだときに分かり易いことが必要である。

『自分史の書き方』
著者:立花隆
講談社 / 定価1600円(税別)
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セカンドステージ(これからの人生)のデザインになにより必要なのは、自分のファーストステージ(これまでの人生)をしっかりと見つめ直すことである。そのために最良の方法は、自分史を書くことだ。
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3. 正確に、そして読み易く(第8回講義)
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(キ) 精密で正確なものを先ずは書く。それから読む人にとって読み易くなるように工夫を入れる。

(ク) 正確に、精密に書いていけば、量が増える。

(ケ) 過去の世の中のことはインターネットで調べて確認すると良い。出版業界には校正係という役割の人がいる。著者の原稿を見て、関連情報を調べて送ってくれる。その校正係の人が使っているのがインターネット検索である。自分史の場合は自分でインターネット検索を使って確認しよう。

(コ) でも、読む人にとっては大変になる。それで、読み易くなるように工夫を入れることが必要になる。

(サ) 先祖の話は書き込むとファミリー史の規模に膨らんでいく。正確に書こうとすると、複雑になっていく。そうなると読むほうには分かりづらい。そのような時は先ずは系図の概略図(主要な人だけ出てくる)を作って先ずそれを説明する。これは古代史研究者が良く使う手法である。

4. 受講生の書いたものの良い例、改善が必要な例の紹介
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(ア) わかり易い自分史にするために(第9回講義)

(1) 社会の大きな出来事が、自分の仕事に大きく関係しているときはその関係の説明があると分かり易い。
(2) 仕事内容をもう少し具体的に書いて欲しいと感じるものもある。仕事内容が分かってくると、仕事上のエピソードも理解し易くなる。
(3) 仕事を説明するときに図を有効に使って欲しい
(4) 集合写真を使うときは、自分はどこか、分かるようにして欲しい
(5) 段落の頭は一文字下げること

(イ) 自分の気持ちを書き込む。気持ちがハイのときと、ローのときと、その変化がわかるように書き込むと、対比して見えて、読み手に印象深く伝わる。(第12回講義)

(ウ) 子供さんが書いた「僕のお父さん」と言う作文を使った方があった。多くの人に使える方法である。(第12回講義)

5. 更にレベルアップ(第13回講義)
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(ア) 自分の文体を大事にする。人間としての独特さを反映した文章を書く。

(1) ある方の文章。文章の最後に自分の気持ちを“す~”と滑り込ませるように書き込んである。最初は違和感があって、チェックをつけたが、読んでいて自然にわかるようになった。この文章を整理して書き直すと文字数が多くなってしまうので、この書き方でよいと思う。
(2) 別の方の例。人間として独特なものを持っている。その独特さを文章に書き現して、素晴らしい文章になっている。
(3) (講義録作成者補足:この部分は授業で提示された文章例や、それを書かれた方の日頃の語り口を知らないと、具体的には理解しづらいと思いますが、先生の伝えたいことは理解していただけると思いますので、この形で残しました。)

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