消費増税へ法人減税かバラマキか
本格化する官邸と財務省のせめぎあい

生活必需品に軽減税率導入がないと消費者には死活問題                                    photo Getty Images

この秋に予定されていた税率を10%に引き上げる消費増税の第2弾の正式決定を人質にとって、6月に決定した成長戦略に盛り込んだ法人減税の具体化を財務省に迫る官邸の戦略が鮮明になってきた。

消費増税を人質に法人税減税を目論む安倍政権

菅義偉官房長官が先週金曜日(7月25日)の午後の記者会見で、消費増税の第2弾の決定時期について「12月上旬」と述べたうえで、「(安倍政権は)デフレ脱却最優先の政権で、状況を慎重に見極めたいというのが首相の思いだ」と強調し、その早期決定を切望している財務省に釘を刺したからである。

一方の財務省は、年末に向けて編成作業が本格化する2015年度予算で、首相の経済政策の1枚看板である成長戦略に4兆円の特別枠を設けることで官邸への恭順の意を示し、消費増税に対する首相らの理解を得ようと躍起になっている。

10%への消費増税第2弾は、今年4月に実施された8%への引き上げ(第1幕)に続くものだ。財政再建や税と社会保障の一体改革の基本策として、民主党の野田佳彦政権時代に当時野党だった自、公両党との合意に基づき、財政再建を進めるための措置とされていた。

だが、安倍晋三首相は、与野党合意時代に自民党総裁の地位になかった。それゆえ、消費増税の実現に強い思い入れはない。

むしろ、同首相が経済政策の目玉に据えているアベノミクスに基づくデフレ脱却と成長戦略に重心を置いているのは周知の事実。

つまり、財政再建や一体改革は政権の方針として優先順位が低い。消費増税第1幕でも、政権は水面下で消費増税の棚上げをちらつかせて、財務当局から広範な予算のバラマキを含む補正予算の編成を引き出すなど、激しい駆け引きを繰り広げた経緯もある。