世界経済 国際・外交
中国関連の貿易取引で、人民元による決済が増えている背景
アメリカの弱腰外交が浮き彫りに                      photo Getty Images

7月中旬、北京で米中戦略・経済対話が実施された。その席で中国は相変わらず強気の姿勢を続ける一方、米国の発言力の低下が明確になったように思う。かねてからオバマ政権の外交政策は“弱腰”とかなりの批判があった。

米国在住の市場関係者は、「オバマ大統領の弱腰外交は、中国やロシアなどを強気にさせるだけで、世界の秩序を乱すことになる」と厳しく批判していた。そうした米国のスタンスに対して、アジアの同盟国からも懸念の声が上がっている。

アジア諸国の中には、「米国はあまり頼りにならないかもしれない」と真面目な表情で心配する政府高官もいる。そうした米国の存在感の低下について、ある政治専門家は「現在の世界情勢は“Gゼロ”」と表現する。

超大国米国の後退=“Gゼロ”の構図

1990年代の冷戦終焉後、米国は覇権国としての地位を確立する一方、“世界の警察”としての役割を担ってきた。それが抑止力となり、世界情勢を安定させる重要なファクターの一つであったことは言を俟たない。

ところが、その米国に陰りが見え始めた。特に、オバマ大統領の外交政策は国内外で“弱腰”と評されるほど、様々なことに対して消極的なスタンスを取っている。具体的な事例を見ても、シリアの内戦状況に関与できず、ウクライナ問題ではプーチン大統領の行動を止めることができなかった。

また、中国は東シナ海や南シナ海で積極的な領土拡大の姿勢を示している。わが国を始めベトナムやフィリピンなど近隣諸国は、中国の拡張主義の脅威を感じざるを得ない状況になっている。それも“Gゼロ”構造の産物と言えるだろう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら