立花隆の自分史倶楽部
2014年08月09日(土) 立花 隆

「自分の人生を知りたければ「自分史」を書きなさい!」---知の巨人・立花隆がすべてのシニア世代にささげる『自分史の書き方』

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「これからの人生(セカンドステージ)のデザインになにより必要なのは、自分のこれまでの人生(ファーストステージ)をしっかりと見つめ直すことである。そのために最良の方法は、自分史を書くことである」。(『自分史の書き方』より)

熟年層や就活生を中心に昨今ひそかなブームとなりつつある「自分史」。自分の人生を知る最良の方法でもあるこの自分史の書き方のノウハウを、「知の巨人」立花隆氏が一冊の本にまとめたのが、その名もズバリの『自分史の書き方』(講談社刊)である。その一部をご紹介していきたい。


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「立花隆の自分史倶楽部」では、立花隆氏の著書『自分史の書き方』を参考にして「自分史」を書いた方の投稿を募集しています。
「自分史」の投稿募集要項はこちら

 

はじめに 自分史を書くということ

 

自分史の書き方』 著:立花隆
税抜価格:1600円 ⇒Amazonはこちら

本書は、立教大学に2008年に生まれた、シニア世代向けの独特のコース(入学資格50歳以上)、『立教セカンドステージ大学(RSSC)』で開講した「現代史の中の自分史」という授業の実践の記録である。

これは「自分史の書き方」の講義だが、単なる講義ではない。講義で話したことをそのまま実践させる、つまり「自分史を実際に書かせる」ことを主目的とする授業だった。この記録は、随所に学生たちが実際に書いた「自分史」を実例として挿入した。読めばわかるが、これがみんなたいへん面白い。

はじめからそれだけの書き手がそろっていたというわけではない。はじめはハシにもボウにもかからぬような作品が大部分だった。それがみんなあっという間に腕を上げていったのである。

はじめ、この授業をどのように展開するつもりだったか、受講生に事前に配付した「シラバス(授業内容紹介)」には、次のように書いておいた。

これは実践的な授業である。目標は、各自が、自分史を書き上げることに置く。
それも単なるプライベートな身辺雑記的自分史ではなく、同時代史の流れの中に、自分を置いて見る、「自分史+同時代史」としたい。

セカンドステージのデザインになにより必要なのは、自分のファーストステージをしっかりと見つめ直すことである(*)。そのために最良の方法は、自分史を書くことだ。

どの程度の自分史とするか。目標は日本経済新聞の「私の履歴書」あたりに置く。「私の履歴書」は1日およそ400字原稿用紙3枚から3・5枚が30回続き、全部で、100枚程度で終わる。この程度の自分史は、正しい手順に従って少しずつ書いていけば誰でも書ける。

その手順を教える。代表的な「私の履歴書」の構造分析から始める。次に各自の自分史年表と同時代史年表を書く。
この授業では、各自がそれまでに書いてきたものを、相互に読み合い、批評し合うことを随時行うから、恥ずかしいなどの理由でそれができない者は、はじめからこの授業をとらないこと。

*印を付けたくだりは、立教セカンドステージ大学の基本コンセプトをふまえて書かれた文章だから、それについて一言しておく。

開講当時、一般社会のリタイア年齢(定年→年金生活)は、60歳だった。しかし、日本人の平均寿命が男性79歳、女性86歳まで延びている現在、60歳はリタイア年齢としてちょっと早すぎる。むしろ、60歳は人生の中間地点ぐらいに考え、「そこから、人生のセカンドステージがスタートする再出発地点だと考えるべきだ」、というのが、このコースの発想の原点だった。

だが再出発してどこに向かうべきなのか。いま自分たちの未来にはどんな可能性が横たわっているのか。日本は、世界は、これからどうなっていくのか。そして、自分たちはいま何をなすべきなのか。

このような「中間再出発地点」に立ったときに、なすべきことは、「過去(自分と社会の両面。日本と世界の両面)を総括する中締めと、いま自分たちが立っている地点を再確認すること」ではないか。そして「未来の可能性を展望すること」ではないか。

そのために必要なのは、じっくり考えることと学び直すことだ。そのような学びに最適の場は大学だ。そこには人生の学び直しのためのあらゆるインフラ(講座、教師、学び仲間、学び舎)がそろっている。こういう発想に立って開講されたのが「セカンドステージ大学」だった。

次ページ だから、コースの重要な一環とし…
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