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〔PHOTO〕gettyimages by Thinkstock

同時に複数のアイデアをすすめるべきか、ひとつずつやるべきか

【質問】 異なるいくつかのアイデアを同時に実行することは賢く現実的でしょうか。それともひとつずつアイデアを実現していくほうがよいでしょうか。
(クラット/パキスタン・イスラマバード)

* * *

――ブランソン: クラットさん、これはおもしろい質問です。というのも、それぞれにプラスの面とマイナスの面があるからです。

最初の会社を起ち上げる際は、仕事について大量に、しかも素早く学ぶ必要があります。ですからたいていの場合は、はっきりとした目的意識をもって、ひとつのプロジェクトに注力するほうが最善の方法です。あなたや仲間が一度そのプロセスを経験すれば、そこで学んだことを次の起業にも当てはめることができます。ある時点で、同時に複数のプロジェクトに取り組むことが可能となるでしょう。

ミスのない選択をするには、いつ前へ進み、いつ立ち止まるかということを知っておかなくてはなりませんが、とくに私と同じように、「いけいけ!」が好きなタイプならば、その判断はなかなかできないでしょう。ヴァージングループの初期のころは、そのようなミスひとつで危うく会社をダメにするところでした。

将来に備えてほかの選択肢を考えることが重要

私たちがかつて、フィルム制作に携わっていたことを知って驚いた方から、いまでもたまにツイートがきます。当時の会社名は、もちろんヴァージンフィルムです。

1984年にヴァージンフィルムは、ジョージ・オーウェルの古典的な小説『1984年』を、ジョン・ハートとリチャード・バートン主演で映画化しようと企画しました。あとで考えてみると、84年はヴァージンアトランティック航空を起ち上げた年でもあり、その負担は過剰なものでした。

映画製作の費用はコントロールができないほどに増え続け、撮影費などは結局、予算の3倍にも達し、ヴァージンフィルムの存続が危ぶまれるほどになりました。冒険的なふたつのビジネスを並行して起ち上げることが制御不能になりはじめたため、私たちはまず、ヴァージンアトランティック航空を離陸させることに注力しました。(もっとあとになって、映画産業に参入したヴァージンプロデュースト社の場合は、うれしいことに前よりもずっとうまくやっています。そこが制作した映画『1984年』はいまだにネットフリックスでレンタルできます)。

しかしながら、起業家であればつねに、将来に備えほかの選択肢も考えることが重要です。これは、時には困難であっても、複数のプロジェクトを同時に遂行する、ということを意味します。たとえば私たちは、最初の事業である雑誌「ステューデント」を手掛けながら、レコード通販の事業もはじめると決断しました。

しばらくして、通販事業は軌道に乗りはじめました。その結果、雑誌の広告収入が減って制作の資金が枯渇しはじめたときに、広告販売を打ち止めにして通販に注力することができたのです。これは、複数のプロジェクトを手掛けていなければ、決して実現しなかったことです。・・・・・・この続きは『現代ビジネスブレイブ リーダーシップマガジン』vol085(2014年7月22日配信)に収録しています

リチャード・ブランソン/Sir Richard Charles Nicholas Branson---ヴァージングループ創設者 / 1950年イギリス生まれ。70年にレコード通信販売会社「ヴァージン」、84年「ヴァージン アトランティック航空」を設立。00年英国エリザベス女王から「ナイト」の称号を授与。熱気球での世界初の大西洋・太平洋横断、世界一周気球旅行など冒険家としても知られる。
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