経済の死角

邪魔者には消えてもらう 財務省が指令「村木厚子を厚労省からいびり出せ!」

2014年08月03日(日) 週刊現代
週刊現代
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ジャーナリスト 長谷川学

送り込まれた「刺客」

政府が7月4日に決定した中央省庁幹部人事が注目を集めている。

これは中央省庁の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」発足後、初の本格人事で、審議官級以上の約600人が対象だ。

菅義偉官房長官が幹部候補者の名簿を作成し、任命権を持つ閣僚が首相や官房長官と協議して決めることで、官邸主導の強化を図ったものだが、人事を中心的にまとめたのは元大蔵(当時)官僚の加藤勝信内閣官房副長官である。

加藤氏は安倍首相が全幅の信頼を置く側近中の側近で、首相の強い推しで初代の内閣人事局長に就いた。4日の人事では村木厚子厚生労働省事務次官(59歳)の留任、各省庁での女性局長誕生など、「女性の活用」がマスコミの関心を集めたが、本当の主役は別にいた。

財務省から省庁間交流で厚労省に送り込まれた谷内繁・理財局総務課長(51歳)である。

谷内氏は'86年入省。東大法学部卒で主税局主税企画官、財務省理財局の財政投融資総括課長などを歴任し、今回、財務省総務課長から厚労省大臣官房審議官への異動が決まった。

谷内氏のケースは過去の省庁間交流と事情がまるで違う。「ノーリターンルール」が初めて適用されたため、谷内氏は財務省に戻ることなく厚労省でキャリアを終えることが決まっているのだ。

「総務課長は局長就任目前のエリートのためのポスト。財務省に残れば最低でも局長になれる。そんな大物がノーリターンルールで他省庁に異動するのは異例中の異例。安倍首相と財務省出身の加藤官房副長官らが厚労省内での出世を後押しすると約束したのだろう」(官邸関係者)

その一方で窮地に立たされているのが、村木事務次官だ。

厚労省では、今年に入り不祥事が続発している。職業訓練事業に関する不適切な入札が発覚して局長らが処分を受けた。5月には、同省が用意した文書に別の法案の内容が紛れ込んでいたため、参院本会議が中断、散会する前代未聞の大失態を演じた。村木次官は国会に参考人として呼ばれ、陳謝するはめになった。

「村木次官は国会で進退を聞かれ『地位が大事とは思っていない』と発言。辞任を覚悟していたようだ。官邸内でも『村木さんにはマネジメント能力がない』という批判が相次ぎ、更迭も検討されたが、村木次官を切ると、安倍首相の女性抜擢人事が失敗したことになるので結局、首にできなかった」(官邸スタッフ)

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