宇宙でも、放射線でも死なない!? クマムシ不死身説の謎に迫る!
~ミステリアスなクマムシの生態~
大きくても全長1mm程度のクマムシ
慶應義塾大学医学部准教授
鈴木忠先生

1960年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院を博士課程単位取得退学後、金沢大学大学院自然科学研究科より、博士号を取得。現在は慶應義塾大学医学部准教授(生物学)

クマムシって虫ですか?

松尾貴史(以下、松尾) 今回のゲストは、クマムシを研究されている鈴木忠先生です。クマムシという生き物の存在は、近年だいぶ有名になってきましたね。噂によると、クマムシは「不死身の生物だ」とのことですが、そもそも先生がクマムシの研究をはじめたきっかけはなんだったのでしょう?

鈴木忠(以下、鈴木)  はい。私がクマムシをはじめて知ったのは、大学1年生のときです。海岸動物の図鑑のなかにクマムシの絵が描かれていたんです。図鑑で見たのは、「イソトゲクマムシ」という海に棲むクマムシの絵だったのですが、それがまた変な絵で。体形は動物のクマのようなのですが、足は4対、合計8本あって、ほんとうに珍妙な生き物だな~と興味を持ったのです。

松尾 海岸動物の図鑑に載っていたということは、クマムシは海の生き物なんですか?

鈴木 ええ、海にもいますが、苔のなかや山の上、土のなかに棲むクマムシもいます。クマムシは、さまざまな環境に暮らしていて、現時点で約1000種類ほど発見されています(2011年当時。2014年現在、約1200種類)。

松尾 え、そんなに多いんですか!?

鈴木 はい。実は、毎年のように新種が発見され続けているんですよ。

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松尾 ところで、そもそもクマムシとは虫なのでしょうか?

鈴木 名前にムシとついていますが昆虫ではなく、緩歩(かんぽ) 動物という独立した門に分類されている生き物です。「緩歩」というのは「緩やかに歩く」という意味です。

松尾 "緩やかに歩く動物" ですか! 門というのは動物の分類でしょうか?

鈴木 ええ、動物の分類カテゴリーのいちばん大きなものです。この緩歩動物門にはクマムシしかいません。

松尾 クマムシはどれぐらいの大きさなのですか?

鈴木 小さいもので、およそ0.1㎜足らず、大きくても1㎜程度ですね。でも、ほとんどは0.2~0.5㎜くらいでしょうか。一応、肉眼でも見えるけれど、はっきりとは認識できないサイズですね。

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