第2回ゲスト:堤堯さん (前編)
「パイプの葉っぱを混ぜてるときがいちばん幸せそうだって、女房がこういうんだよ」

〔写真〕峯竜也、〔構成〕小野塚久男、〔撮影協力〕BAR 夕凪

農耕民族ニッポン人の限界をW杯に見た

島地 堯ちゃんとのつき合いは、かれこれ30年以上になるのかな。文藝春秋の編集長だった時代に、ちょうどぼくも週刊プレイボーイの編集長になって、先輩編集長としていろいろ教えてもらったのがきっかけだったよね。

 新宿のバーで、大声で話してた島ちゃんの様子は今でも鮮明に思い出せる。あのときはまだ、紙巻煙草をくわえていた2人が、30年以上経ってパイプをくわえて対談とはね。今、おれのことを「堯ちゃん」と呼ぶのは島ちゃんくらいだよ。

島地 ぼくにとっては愉快で楽しい人だけど、堯ちゃんのことを「怖い」と思ってる人は多いみたいだね。花田(元『週刊文春』編集長、現『WiLL』編集長の花田紀凱氏)も「島地さん、あんな怖い人とよくつき合えますね」って笑ってたよ。

 アイツ、そんなこといってるのか。

島地 ところで、ワールドカップは見てた?

 おう、見た見た。おれは南米復権の大会になるかと思ったんだけど、最後はゲルマン魂にやられてしまったね。でも、なかなかおもしろい大会だった。

島地 つくづく感じたのは、日本とヨーロッパ、南米の強豪国の差。技術的な差はそれほどないと思うんだけど、勝つためには手段を選ばず何でもやるっていう、貪欲な気持ちで負けていた気がするね。

 まったくだ。後ろから膝蹴りで背骨を折るわ、悔し紛れに最後は噛みつくわで、何でもやるんだから。良し悪しは別にして、あそこまでの必死さが日本の選手に欠けていたのは確かだね。やっぱり狩猟民族と農耕民族の違いなのかな。肉体が激しくぶつかる擬似戦争で、日本が優勝できるのはいつになるやら。

島地 ぼくも、日本の選手の大人しさは気になった。一連の試合を見ていて、どうも日本の外交姿勢にも通じるものがあるような気がしてならないんだよ。狩猟民族は自分たちの主張をゴリ押しする。ところが農耕身族の日本人は和の精神で「話せばわかる」と入るから、最初から相手に圧倒されてしまうんだろうね。