TBSドラマの名匠・市川哲夫氏に聞く「ドラマ」と「ジャーナリズム」の関係(後編)

広い見地から、マスメディアと文化を論じる『調査情報』

TBSが編集・発行する隔月刊誌『調査情報』の編集長は市川哲夫氏(64)。元ドラマ制作者で、「ドラマのTBS」の黄金時代を支えた1人だ。「ドラマはジャーナリズムだ」を持論のひとつとしている。

ジャーナリステックな視点を大切にしてきた人だから、30年以上もドラマ制作に専念しながら、今では雑誌のトップが務まるのだろう。念のために付け加えるが、『調査情報』はドラマ専門誌やテレビ誌とは趣が全く異なる。メインテーマはマスメディアと文化の考察だが、研究誌などとも違い、読みやすく、どちらかといえば総合雑誌に近い。

最近の特集の一部を並べてみよう。同誌の特色と傾向が表れている。

●「向田邦子の『昭和』/『あ・うん』『続・あ・うん』」(関川夏央、3-4月号)
●「中曽根政治とはなんだったのか」(保阪正康、5-6月号)
●「『ロス疑惑』騒動とメディアの変貌」(青木理、7-8月号)

この特色と傾向は市川氏が編集長に就任したあと、より強まったが、創刊当初から公正・中立な立場でマスメディアと文化を鳥瞰し、総合雑誌に近い形で編集されてきた。

たとえば、70年代には若き日の沢木耕太郎氏が約3年半にわたってルポルタージュを連載していた。それがベースとなり、『敗れざる者たち』が編まれた。井上靖と松本清張、司馬遼太郎といった当代の大作家たちによる超豪華版の鼎談が掲載されたこともある。

「TBSが編集・発行している雑誌だから、TBSの番組宣伝が満載されているのではないか」と思って読むと、良い意味で裏切られる。より広い見地から、メディアや文化が論じられている。

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