【環境 その1】 再生可能、原子力、水素エネルギー、そして国連炭素税の導入で低炭素社会の実現を!
元アメリカ副大統領アル・ゴア氏〔PHOTO〕gettyimages

「人類にとって最大の恐怖は何か?」

2006年の映画「不都合な真実」で元アメリカ副大統領アル・ゴアが世界に投げかけた問いだ。

「平均気温は上昇を続け、最高気温は塗り替えられ続ける!」
「温暖化は世界中で進行し、嵐は巨大化する一方だ!」
「北極の氷は急速に溶け出し、やがて海面は6メートル上昇する。フロリダもマンハッタンも水没、上海で4000万人、カルカッタで6000万人の犠牲者が出る!」

「不都合な真実」で投げかけられた環境問題に対して、科学的な信憑性を疑う向きも一部あるが、近年の日本での「ゲリラ豪雨」や「これまでにないほど大型の台風の続発」「40度を超える観測史上最高気温の相次ぐ更新」などは、不都合な真実の世界を彷彿とさせる現象だ。

実際、2500人以上の科学者が参加し、最新の研究成果に対して評価を行っている「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の最新の研究報告書は、「CO2の累積排出量と地球の平均地上気温とは、ほぼ比例関係にあり、最終的に気温が何度上昇するかはCO2の累積総排出量によって決定づけられる」と断定している。

さらに悪いことに、今後100年間での平均気温上昇は、温暖化対策を何もしなければ2.6~4.8度上昇し、平均海面の水位が45~82cm上昇する。気温の上昇に伴って、ほとんどの陸上で、今後、極端な高温の頻度が増加する可能性が非常に高く、今世紀末までに極端な降雨がより強く、頻繁となる可能性が非常に高いと指摘されているのだ。

近年の日本の状況は既にこの兆候を示していると言えるのではないか!? 放っておけば温暖化が否応なく進んでいく地球環境に対して、何もしないという選択肢はない。日本は、環境先進国として、地球規模の温暖化阻止にリーダーシップを発揮する必要がある。

今回の行動からは、環境省編に入る。まずは、温暖化の原因であるCO2削減に対して日本が何をできるのかを論じていきたい。

1. 基本原則: 地球温暖化を阻止するための3つのポイント!

世界の人口は70億人を超え、途上国・新興国での経済成長、資源・エネルギーの需要増大が続く中で、地球温暖化問題は深刻さを増している。しかし、東日本大震災後の原発停止で火力発電に過度に依存する状況が続く中で、日本において地球規模での気候変動問題への優先度が非常に低下していることは、危機的な問題だ。このために、世界でのこの分野における日本のプレゼンスは大きく低下してしまっている。

しかし、高い技術を持つ環境先進国である日本は、他国をリードして地球規模の温暖化を阻止する責務があるし、その能力も持っているはずだ。では、地球温暖化を阻止するためには、何ができるのであろうか? 以下のとおり3つのポイントにまとめてみた。

[1] 地球規模の削減の枠組み作り: 温暖化は地球規模の課題であり、1国で努力しても無意味である。全ての国が参加する枠組みをつくることが必要。

[2] カーボン・オフセット: CO2を排出した分だけ、技術革新や植林などでオフセットする取り組み。この取り組みにより、CO2の排出が抑制される。

[3] 社会の低炭素化: 化石燃料の使用を減らし、原子力や再生可能エネルギーへ、さらに、CO2を排出しない水素社会への転換を進める。

である。以下、順を追って詳述しよう。

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