『東北から起ちあがる100人』
2014年07月21日(月) 加藤小也香

作る人はいるが、売る人がいない。ならば自分がそれを担おう---金入健雄(株式会社金入代表取締役/東北スタンダード株式会社代表・青森県八戸市)

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金入健雄(株式会社金入代表取締役/東北スタンダード株式会社代表)

今回の主人公は、金入健雄(かねいり・たけお)氏。青森県八戸市に本社を構える年商25億円の文具事務用品会社「金入」の代表である。

南部藩に魚を卸す御用商人から、イワシの油糟などを活用した肥料商を経て、戦後に5代目の祖父母が立ち上げた現業を、2013年10月、弱冠33歳で承継した。

県内5ヵ所の法人向け営業拠点、2ヵ所の文具・書籍店に加え、現在は自らの発案として、八戸と仙台の2ヵ所に東北6県の工芸品やデザイン雑貨を揃える「カネイリ ミュージアムショップ」も運営。これらのミュージアムショップで扱う東北各域の工芸品や、それを作る人々についての情報発信やWeb通販などを手掛ける別会社「東北スタンダード」を2013年9月に設立し、その代表も兼務している。

「サイトを見て弟子入りしたいと言ってきたヤツがいる」

「赤べこに新しいも古いもない。俺が作るのが赤べこだ」。東北スタンダードのサイトには動画や写真を織り交ぜ印象的なインタビューが並ぶ

東北スタンダードは、東北に住まう人々が、厳しい自然環境下の暮らしの中から生み出し、長い年月をかけて磨き、伝承してきた工芸品や技術の魅力を見つめなおすため作られた。サイトには通販機能も搭載されているが、どちらかと言えばメディアとしての色彩が濃い。金入氏自身が、1件1件、丹念に取材した結果が、美しい映像や写真、言葉とともに掲載されている。

たとえば、青森のこぎん刺しや秋田の樺細工、あるいは宮城の常盤紺型染め、岩手の南部鉄器、福島の会津張り子・・・。

紹介される工芸品の中には、作家自身の工夫や金入氏ら東北スタンダードのスタッフとの協働により、現代風にアレンジされ、印象的な佇まいを得たものも多い。

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