TBSドラマの名匠・市川哲夫氏に聞く「ドラマ」と「ジャーナリズム」の関係(前編)

ドラマ制作の名匠が編集する『調査情報』

『調査情報』2014年7-8月号

調査情報』という隔月刊の雑誌をご存じだろうか。放送を中心としたマスメディア事情と文化を主なテーマにしており、創刊は1958年。『週刊現代』(59年創刊)や『週刊文春』(同)より歴史が古い。

編集・発行しているのは出版社や新聞社ではなく、TBSメディア総合研究所とTBS。しかし、同局の番組やイベントの紹介といったPR臭は一切なく、創刊当初から公正中立な立場を取り続けている。たとえば、最新刊である2014年7-8月号のラインアップの一部を見ても、下記のように、マスメディアと文化の今と昔が鳥瞰されている。

●安倍政権の500日/山口二郎
●政治のヤンキー化と操られゆく「草の根」の世論/斎藤貴男
●ニュースのテレビ番組化とは何か~『ニュースステーション』の画期と試行錯誤/髙村裕(元『ニュースステーション』プロデューサー)
●同時代を生きる視点/川本三郎

かつて「民放の雄」と呼ばれ、NHKに匹敵する信頼度を誇り、放送界を牽引してきたTBSの矜持の表れだろう。

内容は、「調査」と「情報」ばかりでなく、文化的な味わいに富んでいる。執筆陣が豪華で装丁やレイアウトも巧みで、堅苦しさは感じられない。記事に深みがあることから、マスコミ関係者やマスコミ学の研究者、学生らの愛読書となっているだけでなく、一般読者にも広く読まれている。

就任8年目の現編集長は市川哲夫氏(64歳)。ドラマファンであるなら、この名前にピンと来るだろう。伊藤つかさが主演した『アイコ16歳』(82年)や秋葉原を舞台にした異色のドラマとして評判高い『親にはナイショで』 (86年)、政治の舞台裏を女性の目線で描いた『代議士の妻たち』(88年、89年)、中年サラリーマンの悲哀を描いた『課長サンの厄年』(93年)など、数々の名作や話題作を演出・プロデュースした名匠だ。

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