経済指標は軒並み「景気悪化」の兆候!「消費税10%」の是非判断が安倍政権の正念場になる

2014年07月14日(月) 高橋 洋一
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もっとも、政治的な環境は厳しい。政治的には、消費税再増税は、民主党政権時代に法律も通っており「決着済み」ともいえよう。10%への再増税をひっくり返すには、消費税増税凍結法など新たな法律を国会で通さなければいけないという意味である。

その道は狭く険しい。消費税増税で予算規模は膨らみ、拡大した歳出権の果実を政治家はもらおうと待ち構えているし、財務省としても歳出権を行使したい。そのチャンスをみすみす失う増税ストップは政治的にはありえない。

しかも、そのあたりの事情も官僚も心得ているから、揉めそうな通常国会を利用する。いきなり話が飛ぶようだが、筆者は、集団的自衛権行使のための自衛隊法等の法改正について、秋の臨時国会ではなく、年明けの通常国会にしたことも大いに関係があると睨んでいる。

改正法案が15本以上あって、「実務的に間に合わない」と官僚に言われると、立法経験のない政治家やマスコミは簡単に騙されてしまう。それは時間があれば、そのほうがいいに決まっているが、今から〝タコ部屋〟(立法準備室)を作り、各省から精鋭を集めてやれば間に合わないわけではなかろう。

争点は何年も前からわかっていることだし、公明党の抵抗で政府が大きく方針を変えたわけでなく、想定の範囲内だからだ。筆者も官僚時代に無理難題を言われて何度もやったことがある。

集団的自衛権関連法案の提出を無理に急がず通常国会にしたのは、そのほうが国会での審議がやりやすいと官僚が考えたからだろう。消費税の再引き上げを判断したとしても景気問題で国会は騒々しいだろう。そうしたときには争点が分散するので、集団的自衛権関連法案は通りやすいと外務・防衛官僚は思うはずだ。逆に、集団的自衛権関連法案が通常国会であれば、同時に、消費税増税凍結法案なんて国会に出せるわけがないという財務省の思惑もある。

いずれにしても、集団的自衛権関連法案の提出が通常国会であったほうが、官僚としては都合がいいわけだ。

景気でもってきた安倍政権としては正念場だろう。消費税増税凍結と集団的自衛権関連法案で衆院解散なんて、政治的に破壊的なシナリオはないのだろうか。
 

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