経済指標は軒並み「景気悪化」の兆候!「消費税10%」の是非判断が安倍政権の正念場になる

2014年07月14日(月) 高橋 洋一
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先行指数は3カ月先の一致指数をかなりよく予測できるので、その関係から推計される景気動向指数を下図に描いてみた。

やはり今後景気は悪くなると予測できる。そして、これも過去2回の増税より悪くなっている。この予測は、10日に内閣府より公表された景気ウォッチャー調査とも整合的だ。

この調査は、全国を11地域に分け、仕事を通じて景気の動向を観察できる人々(景気ウォッチャー)から景況感を聞き取るものだ。2000年1月から行われているが、景気ウォッチャーとして、百貨店の売り場主任、ホテルのスタッフ、タクシー運転手など、職業柄、景気の動きに敏感と言われる職種の人を選んでおり、官庁統計の中ではユニークなものだ。

実は、この調査は景気の先行きをかなり「当てる」ということで、筆者も内閣府にいたときには重宝した。具体的には、内閣府が公表し、政府の景気の重要判断になっている景気動向指数について、6カ月後のものを、景気ウォッチャー調査の先行き判断からある程度推測できるのだ。

その関係を使って、6カ月先までの景気動向指数の予測を行ったのが下図だ。

これもせいぜい97年増税と同じような経路だ。しかし、内閣府の説明資料に、「6月の現状判断DIは、前月比2.6ポイント上昇の47.7となり、2カ月連続で上昇した」「景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆込み需要の反動減の影響も薄れつつある」と書かれていることから、その部分だけをノー天気に引用したマスコミ報道が多かった。

だが、増税後の4月に大きく落ち込み、その後、「2カ月上昇」したが、前の水準まで戻っていない。この「前の水準に戻っていない」という点がマスコミ報道に欠落している。

年明け通常国会をめぐる官僚と政権の思惑

今年の年末に安倍政権は、消費税の再増税の判断を行う。その際、7-9月期のGDPで判断するというが、4-6月期と比べて(前期比)プラスになっている程度で再増税になったらまずい。経済政策としては、昨年7-9月期と比べて(前年同期比)プラスが最低条件だ。

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