経済指標は軒並み「景気悪化」の兆候!「消費税10%」の是非判断が安倍政権の正念場になる

2014年07月14日(月) 高橋 洋一
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「5月機械受注は過去最大の減少幅」という報道で、5月国内民需(船舶・電力を除くベース)は対前月比19.5%減となった。さすがに、内閣府は機械受注の判断を「増加傾向にある」から「増加傾向に足踏みがみられる」に変更したし、今回は数字の悪いことに多くの人が気づいたので、株価も反応した。

この対前月比19.5%減という数字はその通りなのだが、ここで統計の読み方を少し注意しておこう。というのは、マスコミはそのあたりに無頓着というか、全く知識がないので、しばしば数字を読み違えるのだ。

問題は、対前月比か、対前年同月比かということだ。対前月比は前の月と、対前年同月比は1年前の同じ月と比べる。もちろん、前月が高ければ対前月比は大きなマイナスになることもあり、前月が低ければ対前月比は大きなプラスにもなる。一方、対前年同月比は、一時的な変動よりもやや傾向的な数字が出てくる。

プロであれば両方の数字はともに見るのだが、マスコミでは両者の区別なく一方の数字だけを言う人が多い。どちらの数字なのか言わない人は当てにならないと思ったほうがいい。

実は、前月比の数字は、季節調整という統計テクニックを使った後でしかわからない。対前年同月比は原データからでも計算できるので、機械受注統計の国内民需(船舶・電力を除くベース)の対前年同月比で、過去2回の消費税増税時と比較してみよう(下図)。なお、今の統計と増税時の統計は、増税時では携帯電話を含めており、統計は不連続であるが、対前年同月比を見る限り、その影響はほぼ無視できる。

やはり、過去2回の増税時と比べて悪い数字になっている。この国内民需(船舶・電力を除くベース)は民間設備投資の先行指標である。GDPは民間消費、民間設備投資、公的部門、海外等で構成されているが、民間消費と民間設備投資でGDPの7割程度占めるので、この両者に黄色信号が出たことは、日本経済の先行きに不安を感じざるを得ない。

民間消費と民間設備投資が悪いのだから、景気も悪くなってしかるべきだ。次は、7日に内閣府から公表された景気動向指数を見よう。景気の現状を示す一致指数は111.1で、前月から横ばいだったことを強調するマスコミもあった。しかし、ポイントは先行指数で、4カ月連続で低下している。

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