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この国は俺たちのためにある そこどけ!財務省「花の54年組」4人衆のお通りだ
加藤勝信・木下康司・香川俊介・田中一穂

アベノミクスに陰りが見え始めた。政府は「骨太の方針」を発表したが、マーケットの反応は薄い。一方、来年にはさらなる増税が国民を襲う。民意不在の政策の背後に、高笑いをしている奴らがいる。

消費増税の立て役者たち

日本の中枢が、ただ一つの世代に握られた。ともに'79年に大蔵省(現・財務省)に入省した「花の昭和54年組」が霞が関の実権を握り、国家財政を我が物にしようとしているのだ。

それを盤石なものとするために財務省が画策し、安倍晋三総理、麻生太郎財務大臣に認めさせたのが、同期3人で財務省事務次官のポジションをたらい回しにする「超異例」の人事である。

この7月に現事務次官の木下康司氏(57歳)が退任し、その後任に現主計局長である香川俊介氏(57歳)が昇格する人事が内定した。そして香川氏の次の次官候補として、現主税局長の田中一穂氏(58歳)が、主計局長にスライドする。

この異例人事の背景にあるのは、財務省の宿願である「消費増税」に他ならない。全国紙経済部デスクが解説する。

「財務省が財政の立て直しを必死で訴えて、増税に邁進しているのは、自分たちの影響力を保持するためなのです。たしかに国家財政の立て直しという大義名分がありますが、それならば歳出の削減で対応してもいい。しかし、財務省が歳出カットに熱心でないのは、政治家にも他省庁にも煙たがられるだけだから。

それよりも増税で歳入を拡大できれば、差配できる予算が増えるため、霞が関や永田町に、より大きな影響力を行使できる。たとえ『増税の黒幕』と非難されようと、財務官僚にとっては『予算配分の権限を広げる歳入拡大こそが至上命題』というわけです」

その結果、国民がさらなる血税を搾り取られようと知ったことではない。財務省の権限が広がればそれでいいというのが、彼らの思考回路なのである。

たとえば、現次官の木下氏は、民主党政権時代に3党で合意していた消費増税路線を、改めて安倍政権に実行させたことで(霞が関では)評価されている。

木下氏は次官退任後、財務省顧問に就く。が、今秋に安倍総理が決断すると見られる消費税10%への引き上げを実現させるために水面下で政界工作に当たり、香川新次官体制をサポートする構えだ。

その香川氏は財務官僚の中でも「突破力で群を抜く」(財務省有力OB)との触れ込みで、若い時から「将来の事務次官」と目されてきた。

「香川氏は公共事業担当の主計官として土木利権の調整を手掛け、経世会時代の小沢一郎氏にその手腕を認められました。その後、経世会を飛び出して冷や飯を食わされていた小沢氏の事務所にも熱心に通い、復権に向けた政策提言をし続けたことでさらに関係を深めた。小沢氏からは『身内』とまで言われるようになったのです」(有力OB)

何よりも香川氏の存在感を強固なものにしたのが、3党合意のときの小沢氏への対応だった。当時、反野田陣営で増税反対を掲げ、「3党合意最大のハードル」とさえ言われていた小沢氏を説得し、反増税政局に踏み込まないよう、奔走したのだ。

これにより、香川氏の次官就任は確実になったとされるが、先に木下氏に譲ったのにはわけがある。

「香川さんは増税のためにはどんな政治家であろうとも、酒席に資料を携え、率先してご説明に伺っていました。連日のご説明行脚で酒量が増え、心労が溜まって胃がんになってしまった。

昨秋に順天堂大学病院で行った手術が成功。周囲はいったん閑職に置いて健康回復に専念させようとしたが、本人は『特別扱いは無用。再び病に倒れたらそれも運命』と主計局長に就任し、予算編成をまとめあげた。今は体調も回復し、アルコールこそ口にしないが、ウーロン茶片手に政治家やマスコミ幹部との懇親会も精力的に行っています」(財務省中堅幹部)

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