特性と役割が違うだけで、不要なメディアも完璧なメディアも存在しない!
議員の釈明会見を動画付きで報じた神戸新聞ウェブ版(神戸新聞NEXTより)

ネット時代だから、話題になったニュース

テレビ、新聞、雑誌、ネットの各メディアが、固有の特性と役割を持つのは言うまでもない。それが、くっきりと浮き彫りになるニュースがここ1ヵ月の間に相次いだ。

政務活動費の奇妙な使い方を批判された男性兵庫県議が、日本国内どころか世界中で注目の人となったが、これはネット時代だからに違いない。

最初に県議の釈明会見をネットで報じたのは地元紙・神戸新聞のウェブ版だった。すぐに再生できる映像付きである。県議の言動があまりに異様だったことから、たちまち情報が拡散され、国内外に広まった。

もしも神戸新聞などのウェブ版が文字だけの報道だったら、異様な会見であることが伝わり切らず、情報がここまで広がることはなかっただろう。まして舞台は地方議会なのだから。筆者は記事を書く仕事を始めてから30年近くになるが、この会見を文字だけで再現できる技量はない。

映像付きの記事がネット上で話題になったため、次いでテレビの全国ニュースとなり、さらにワイドショーでの大特集に至った。ネット上で話題沸騰とならなければ、在京キー局は系列局に映像素材の提供すら求めなかったはずだ。地方議会でのことであり、しかも百条委員会での追及が始まったわけではなく、捜査機関も動いていなかったのだから。

新聞の全国紙の社会面でも報じられることになったが、これもネットやテレビで県議を非難する声が高まったからだろう。ネットがない時代だったら、会見の段階ではベタ記事にすらならなかったかもしれない。なにしろ、事件化していないのだから。

つまり、ここまで関心が高まったのは、根本的問題である県議の政務活動費の件より、県議の言動が奇天烈過ぎたからである。それが動画に収められ、ネットで報じられたためだ。ニュースや情報番組内で息抜きとして放送される「国内外、衝撃ビデオ」などと同一線上の映像だったことになる。無論、今後は政務活動費の問題もきっちり追及されるべきではある。

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