北京のランダム・ウォーカー

アメリカの存在感低下がもたらす「日朝vs中韓」という北東アジアの新パラダイム

2014年07月07日(月) 近藤 大介
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中国・習近平主席と韓国・朴槿恵大統領 〔PHOTO〕gettyimages

「永遠の敵国はなく、あるのは永遠の国益のみ」

新たな北東アジアのパラダイムが見えてきた。それは、前世紀の冷戦期以降、長く続いてきた「日韓vs中朝」の構造から、「日朝vs中韓」の構造への大きな転換である。

まずは、日朝関係から見ていこう。7月4日、安倍政権は閣議で、北朝鮮への独自制裁の一部解除を決定した。北朝鮮に対する日本の経済制裁は、ヒト・モノ・カネの往来を規制するものだが、その半分くらいを解除した格好だ。

私は、2年前の8月に安倍氏をインタビューしたときのことを思い出した。野党時代の安倍氏に北朝鮮問題について尋ねたところ、こう答えたのだ。

「恫喝外交を続ける北朝鮮に対しては、強硬な態度で臨まないといけない。日本としての独自制裁をかけたのは、私の判断だった。2006年10月に、北朝鮮が初の核実験を強行したことへの対抗措置として、安倍政権として制裁を科したのだ。この制裁は、核とミサイルは絶対に許さないという日本としての毅然とした態度を示せたと自負している。そして北朝鮮が核とミサイル開発を続けるかぎり、制裁は続けるべきだ」

だがそれから2年して、安倍首相は再び「毅然とした態度で」独自制裁の一部を解除してしまった。

それでも私は今回、安倍首相を「二枚舌外交」と批判する気はしない。むしろよくぞ決断したと称えたい。まさに「永遠の敵国はなく、あるのは永遠の国益のみ」である。先月のこのコラムでも書いたが、いま日本は、北朝鮮と国交正常化する「絶好の機会」であり、北朝鮮との国交正常化は日本の国益にかなうものだからだ。

次ページ 3年前の統計だが、北朝鮮と国交…
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