牧野 洋の「メディア批評」
2014年07月04日(金) 牧野 洋

集団的自衛権問題でニュース面が論説面化---客観報道とは名ばかりの朝日と読売

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7月2日付朝日の1面

新聞社にとって客観報道は基本であるとはいえ、百パーセント客観的な紙面作りは事実上不可能だ。だからといって、国を二分するような論争が起きているときに一方に肩入れし過ぎていいわけではない。

肩入れし過ぎの好例は、直近では集団的自衛権をめぐる報道だろう。政府は7月1日の閣議決定で、集団的自衛権行使の容認に向けて憲法解釈の変更に踏み切った。すると主要紙は、旗幟鮮明にした関連報道で翌日の紙面を埋め尽くした。

集団的自衛権行使では反対派と賛成派の代表格である全国紙(西部支社版)を見比べてみよう。

賛成派の声を載せなかった朝日

まずは反対派代表格の朝日新聞。1面では最上段に「平和主義覆す解釈改憲」と大見出しを掲げ、「『強兵』への道 許されない」と題した編集委員コラムを載せている。編集委員がコラムで「許されない」という主観を打ち出すのは珍しくないが、通常のニュース記事で「平和主義覆す」という表現は大胆だ。

続いて、1面に次いで重要なニュース面である総合面(2面と3面)でも、見開きで集団的自衛権報道を全面展開している。主な見出しを選んでみると、次のようになる。1面の「平和主義覆す」と同様に大胆な見出しだ。

<危険はらむ軍事優先>
<周辺国刺激 緊張招く懸念>
<抑止力 逆に低下する恐れ>
<ねじ曲げられた憲法解釈>
<「自衛措置」強引に拡大>
<論理の暴走 戦前と同じだ>

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