デジタル・エディターズ・ノート
2014年07月04日(金) 佐藤 慶一

オランダの新興メディア「De Correspondent」が注目される理由とは? オランダ大使館 バス・ヴァルクス氏に聞く

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バス・ヴァルクス氏(オランダ大使館 報道・文化部 報道・文化補佐官) 場所: SHIBAURA HOUSE

3万人以上の有料購読者がいる新興メディア

たった8日間で15000人以上から100万ユーロ(約1億3,000万円)もの創設資金を集めた「De Correspondent(コレスポンデント)」というオランダの新興メディアがある。コレスポンデントとは「特派員」という意味だ。

スピーディーで消費的なメディアではなく、寄稿者が特定のテーマを掘り下げていく「スロージャーナリズム」を実践する。広告は掲載せず、年間購読料60ユーロ(約8,000円)という価格の課金制を採用している。

日米のメディア事情はよく話題にのぼるものの、オランダとなると言葉の壁もあり、なかなか情報を知らない。今回、オランダ大使館にて報道・文化補佐官を務めるバス・ヴァルクス氏からコレスポンデントについて解説してもらう機会を得た。そこで紹介された情報を交えながら、このメディアをみていきたい。

まず驚きなのが、1600万人というオランダ人口で、すでに3万人以上の有料購読者がいるということだ。コレスポンデントの立ち上げを主導したのは、ロブ・ワインバーグ(1982年生まれ)という編集者であり作家だ。2010年、オランダの全国紙『NRC Handelsblad』のバンデルメルシュ編集長が、28歳と若い彼を『NRC Next』(2006年設立)の編集長に抜擢した。

ミッションは、NRC Handelsbladのニュースコンテンツの6割を使いながらも、同紙から離れて、NRC Nextをもっとユニークに、斬新に、タブー知らずな方向に導いて行くことだった(NRC Handelsbladから編集権は独立している)。若者(25~34歳)を取り込み、本体のNRC Handelsbladへと読者を流そうと尽するも、2012年9月にバンデルメルシュ編集長が彼を解雇。その後、独立した。

その1年後、2013年9月にコレスポンデントをローンチすることになった。デザインをクリエイティブエージェンシーのモンカイ社が担当し、発行人はNRCのウェブ版編集長やテックメディア「The Next Web」の編集長として活躍してきた、1986年生まれのエルンストヤン・ファウス氏が務める。「実力を持った若さ」と「クリエイティブ」が強みだ。

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