シー・ユー・チェン 第1回 「華僑の父を持つ私がCIAを立ち上げた理由を語りましょう」

撮影:立木義浩

<店主前曰>

「シマジさん、ちょうど一週間前に日本国籍を取得したんです!」

シー・ユー・チェンは嬉しそうに相好をくずしてわたしに告白してくれた。

「おめでとうございます!」とヒノがすかさず祝辞を述べる。

編集長のセオは部長になってから大忙しで、そのうえMXテレビで朝番組のコメンテーターもやりはじめたらしい。そんなに世間に顔を売ってどうする気なんだろう。ともかくそんなわけで、今回もセオの助っ人としてヒノがやってきた。

チェンさんとはこれで2度目のご対面である。1度目は広尾のサロン・ド・シマジ本店に遊びにきていただいた。チェンさんはほとんど下戸に近いのだが、その晩わたしがタリスカーのスパイシーハイボールを勧めると、突然体質が変わったかのように飲みはじめた。

後日チェンさんはサロン・ド・シマジ伊勢丹支店に立ち寄り、タリスカー・スパイシー・ハイボールセットを買い上げてくれた。スモーキーなモルトの香りとブラックペッパーの刺激がやみつきになり、いまでは毎晩のようにナイトキャップにチビチビやっているのということだ。

表に名前が出る仕事ではないから一般の人はあまり知らないかもしれないが、シー・ユー・チェンは、数多くの企業ブランディングを手掛けるコンサルティング会社CIA Inc.の代表取締役会長である。そして彼を一躍有名にしたのは、山口県のさえないディスカウンターであったユニクロを全国区のファッションブランドに仕立て上げたマーケティング戦略の大成功であった。

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