戦後70周年を迎える来年、過去を風化させないテレビ・映画の大作に期待

1945年6月に撮影された銀座の様子 〔PHOTO〕gettyimages

戦争とは何か? 国家とは何か?

気の早い話と思われるかもしれないが、来年は終戦70周年。テレビ局、映画会社は水面下で大型企画の準備を進めている。

筆者が耳にした戦後70周年企画の中で、「これは話題作になる」と確信したのは、映画『日本のいちばん長い日』(東宝、1967年)のリメイクだ。やはり映画として制作される。まだ正式発表に至っていないが、間もなくニュースとして報じられるだろう。

初作は巨匠・岡本喜八氏がメガホンを執り、三船敏郎(阿南陸相役)や志村喬(下村情報局総裁役)、笠智衆(鈴木総理役)、山村聡(米内海相役)、加東大介(NHK・矢部国内局長役)、北村和夫(内閣官房佐藤総務課長役)ら、当時の名優たちが一堂に会した。上映されるや大ヒットを記録し、現在も語り継がれる名作となった。

プロデューサーは藤本真澄氏。この人もまた名手で、東宝映画の初代社長でもある。藤本氏が手掛けた作品は、『めし』(51年)、『社長シリーズ』(56年~)、『隠し砦の三悪人』(58年)、『若大将シリーズ』(61年~)、『日本沈没』(73年)といった名作・話題作ばかり。偉大なる先人の名を汚すわけにはいかないだろうから、リメイク版も現代の名匠、名優たちが勢ぞろいする大作になるに違いない。

『日本のいちばん長い日』とは、昭和天皇と閣僚たちが御前会議において降伏を決めた1945年8月14日の正午から、NHKラジオを通じて、玉音放送が流された翌15日正午までの24時間を指す。原作者は言論界の巨人・大宅壮一氏。しかし、実際には現在も歴史家として名高い半藤一利氏が書いた。

事実、長い1日だった。降伏に反対する陸軍将校たちがクーデターを計画。終戦を受け入れようとした師団長を射殺してしまう一方、国民に降伏を告げる玉音放送を阻止すべく、昭和天皇の声が吹き込まれた音源の奪取を図る。将校たちは本土決戦、一億玉砕を目論み、なんとしてでも戦争を続けようとしていた。

国民全員が望んで始まった戦争ではなかったが、終戦もまた全員が願ったわけではなかったのだ。一億玉砕が正義だと信じて疑わなかった将校たちがいた。もしも、将校たちの望みどおりに本土決戦が行われていたら、今の日本がなかったことは言うまでもない。この作品を観ると、「戦争とは何か?」、「国家とは何か?」という難問の解答の一端が浮かび上がってくる。

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