過去33年でワースト2!消費税増税がもたらした急激な消費落ち込みに政府は手を打てるか

2014年06月30日(月) 髙橋 洋一
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政府は、この数字でもまだ楽観的だ。

甘利明経済財政・再生相は27日の閣議後の記者会見で「基調としては消費も回復に向かっていると判断していい」と発言している。事務方は、もう少し数字をきちんと説明したほうがいい。総務省も「想定の範囲内の動き」というが、何を想定していたのか、前に明らかにしていないので、なんとでも言える。このような言い方の時は危ないと思ったほうがいい。

まず、消費税増税の影響であるのは間違いないので、前の増税時と比べてみよう。以下の図は、筆者が講演などで消費税の影響を説明するときに使うものだ。増税は過去2回、1989年増税(創設時、つまり0%→3%の増税)、1997年増税(3%→5%)なので、その前後1年で経済指標の推移を書いたものだ。数字はGDPや消費などの前年同期比を取っているが、本コラムでは消費水準指数の前年同月比とする。

1989年と1997年を見ると、それぞれ4月の増税後6か月ぐらいは似たような景気動向で、消費税増税の影響はあまり現れていない。しかし、6か月を過ぎるあたりから両者の景気動向に差がつき始める。1年後になると、89年増税時と97年増税時では大きな差がついた。

この理由はまず、89年は景気が良かったこと、97年はそれほどでもなかったことだ。消費税以外の税では、89年は減税もあったこと、97年ではならしてみると、増税減税ニュートラルだったことなどで、89年は消費税増税の影響は97年より少なかった。

それが今回は、図からわかるように、増税後の2か月で89年と97年を大きく下回っているのだ。2か月だけみると、今回の下げは異常に大きい。

家計調査は調べる項目が多く、サンプル数が約8000と少ないのがネックになって振れが大きいこともあるが、それにしても今回の下振れは大きすぎはしないか。

それぞれについて、増税前1年間平均と増税後2か月平均の差(増税後2か月平均マイナス増税前1年間平均)をとってみると、89年では▲4.6%ポイント、97年は▲2.4%ポイントに対し、今回は▲7.1%ポイントと大きいのが際立っている。

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