[障がい者スポーツ]
伊藤数子「新ウェブサイト『「みんなのスポーツ』」

 NPO法人STANDでは、「障がいの有無に関わらず、みんなで一緒にスポーツを楽しもう」というコンセプトのもと、今年4月に新ウェブサイト「みんなのスポーツ」を開設しました。特に子どもたちを対象にパラリンピック競技をモチーフにして、みんなで一緒に楽しく遊べるゲームやスポーツを動画で紹介するものです。ゲームや練習の方法を動画を使ってわかりやすく説明してありますので、パソコン、タブレット、スマートフォンがあれば、誰もでもどこにいても、「みんなのスポーツ」を見ながら、体験することができます。

「全国どこでも・誰でも」の課題

「みんなのスポーツ」を立ち上げようと思ったきっかけは、2年前、ロンドンパラリンピックに向けて都内で開催した体験会にありました。実は体験会後、ある方からこんなメールをいただいたのです。
「東京でこんなに面白そうなイベントが行なわれていたことを今日知りました。来年も、ぜひやってください。私たち、家族みんなで参加します!」
 宮城県仙台市にお住まいの方で、車椅子に乗って生活をしている小学生の女の子のお母さんでした。

 もちろん、わざわざ仙台から来てくださる、と言っていただいたのです。こんなに嬉しいことはありませんでした。しかし、同時にこうも考えたのです。
「きっと同じように思ってくれている人は、たくさんいるに違いない。でも、遠方から参加とあっては費用も時間もかかってしまう……。とはいえ、私たちが体験会を開くといっても、場所にも回数にも限界がある。どうやって応えていったらいいんだろう」
 そんな疑問がわき上がってきたのです。

 私たちSTANDは障がい者スポーツをもっと広く知ってもらいたいと考えています。スポーツ本来の楽しさや、やりがいがふんだんに詰まっていることを知ってほしいのです。そのためには、実際に見て、やってみるのはとても有効な方法です。だからこそ、これまで体験会を開催してきました。しかし、それには場所と時間がどうしても制限されてしまうのです。いろいろなところから「うちの地元でもやってほしい」という要望はいただくものの、やはりすべてに応えることはできません。そんなこともあって、以前からの課題でもあったのです。

 そこで企画したのが「みんなのスポーツ」です。私たちが行くことはできないけれど、各地域の大人や学校の先生、スポーツクラブの指導者が子どもたちに教えることができる指導者マニュアル付きの教材があれば、簡単に体験会が行えるのではないか、と考えたのがきっかけでした。