マーケティングの視点から考える「セクハラ野次」ネット署名と参院会館でのワークショップが盛況だった理由
第一部に登壇したパネリストたち(左から、津田大介さん、ハリス鈴木絵美さん、斎藤万里子さん、松本亜樹子さん、安藤哲也さん、新居日南恵さん、筆者)

6月26日(木)、参議院議員会館で都議会のセクハラ野次について考えるワークショップが開かれた。すでに報道されている通り、この問題は東京都議会で質問中の女性議員に対して、結婚や出産に関する野次が飛ばされたというもの。野次を飛ばした議員のひとりは既に名乗り出ている。

ワークショップを企画したのは、有志の集まりで、この野次について、ネット署名サイト「Change.org」の署名に賛同した人たちだ。署名を呼び掛けたのは都内に住む28歳の男性。「5000筆くらい集まればよいかな」と悲観的に考えていたというが、結果は良い意味で裏切られ、わずか4日間で9万筆以上集まった(署名の趣旨や集まり具合、呼びかけた男性からのメッセージはこちら)。

問題発言を行った議員に対しては、たくさんの批判が寄せられ、本人は既に謝罪会見をしている。しかし、発言者の特定と処分だけでは問題は解決しない、と多くの人が感じていた。

同じようにもやもやした気持ちを抱える人たちと一緒に、何が問題なのか議論したい・・・そんな気持ちから、筆者も友人・知人たちと共に、このワークショップの企画に携わることになった。ワークショップは、ノーカット版の動画はYoutubeでご覧いただける。

蓮舫議員も出席した

これまでとは明らかに雰囲気が違った

結論から言えば、これまでの市民運動・女性運動とは異なる人々も集まり、たいへん盛況だった。出席した蓮舫議員は開口一番「院内集会にこれだけ若い人や女性が集まるのは初めて」と驚き、女性問題を取材する大手新聞記者は「新しい顔ぶれが集まったのがすごい」と評する。何が起きたのか。

筆者が何より驚いたのは、動きの速さである。筆者が署名をしたのは6月20日(金)の昼間だった。あっという間に8万、9万人に達し、そうこうするうちに、発言者が特定されて謝罪会見が開かれた。

一方で、トカゲの尻尾切りで終わってはいけないのでは・・・という声もすぐに出てきた。参議院議員会館で議論の場を設けること、筆者自身が何かの形で関わることが決まったのは23日(月)午後だった。

その後、4日足らずで第一部のパネリストと役割、第二部のワークショップのテーマを決め、司会や流れを決め、参加者を集め、メディアに案内を送った。それぞれが得意分野を生かし、仕事や家庭の用事の合間を縫って進めていった。

参加者は募集から数時間で定員いっぱいに達したので、急遽、増やすことになった。最終的には150人定員まで増やしたが、それもすぐに埋まってしまい、その後は、知人を介して「立ち見でもいいから聞きたい」といった要望も寄せられたほどだ。

メディアの反応も速い上に非常に前向きだった。「今回の件を受けて新しく企画を考えた」といった声もあったほどで、既存の「女性問題関係者」以外が関心を持ち、具体的に行動を起こしたことが伝わってきた。

筆者は第一部のパネリストと第二部のワークショップで司会進行役を務めた。これまで、取材のため、また登壇目的で女性関連のイベントや会議には数えきれないほど参加しているが、今回は明らかに雰囲気が違うことが、ひしひしと伝わってきた。

大学生など若い参加者、女性の問題と思われそうなのに男性もたくさんいたこと、その上、皆が意見を活発に述べていたのが印象的だった。例えば、第二部で発言したある男性は「自分の周辺では男性も当たり前のように子育てに参加している」という実体験を述べており、問題発言をした議員とは、同世代の男性でも世界観がまるで違うことが伝わってきた。

また、取材に訪れた大手メディアの男性は「何となく自分は入りづらい雰囲気かな、と思ったけれど、来てよかった。色々な人の意見を聞けて良かった」と述べた。こういうテーマだと、どうしても「女性が怒り、男性は来ないか小さくなっている」印象だが、全体には良識ある男性と一緒に解決策を考える、という方向に話が進んでいた。

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