ドイツ
人工知能の未来はかなり怖い!? 映画『トランセンデンス』を観てシンギュラリティ研究について調べてみた

ドイツで、映画『トランセンデンス』を観た。日本では6月28日封切だそうだ。

若い人たちと観に行ったが、さっぱり訳が分からない。年齢のせいか、知性の欠乏か、あるいはその両方? いずれにしても腹が立つ。

見終わってすぐ娘のボーイフレンドに、「ちょっと、説明してよ!」と言ったら、彼は一瞬、躊躇して、「どこら辺から説明しますか?」と訊いた。「初めからに決まってるでしょ!」

人間の脳をコンピューターにインストール!

科学者のウィルは、人工知能を持つコンピューターを開発している。人工知能は「PINN」と名付けられ、完成の暁には、その卓越した頭脳により、より良い世界を作るための要となるはずなのだ。完成間近のPINNの研究を、意気揚々と発表するウィル。その研究チームにはウィルの妻・エヴェリンも加わっている。

ところがウィルは、このようなハイテクに反対する過激派グループRIFTの凶弾に倒れてしまう。そこで、エヴェリンは思いつく。夫の頭脳をPINNに移植して、生き永らえてもらおうと。

もう、この辺から私には理解不能になってしまうのだが、死にそうなウィルの頭にいっぱいコードが付けられ、それがコンピューターに接続される。モニターには数字がチカチカ。ウィルの脳の中身をPINNにインストール? 

一度は失敗したかと思われ、落胆するエヴェリン。ところが突然、モニターに文字が現れる。「EVELIN」。

ワーーー! ウィルがコンピューターに入ってしまった! 成功したのだ、たぶん・・・。

そして、このPINNとウィルの合成人工頭脳は、どんどん賢くなっていく。ウィルに命じられるまま、エヴェリンはウィル(PINN?)をいろいろなネットワークにつなぎ、みるみるうちに、経済も軍事も個人情報も、世界の多くがウィルの手に落ちていく。

エヴェリンは、ウィルの指示通り、砂漠の真ん中に超ハイクラスの巨大なナノテクニックの工場を作り上げる。そこでは、大怪我を負った人もあっという間に完治し、死にそうな人間もピンピンに生き返るという究極の医学が完成。ウィルは、それを救世だと思っている。

大金持ちになったエヴェリンはというと、無機質で、無味乾燥な、しかし超豪華なフラットで暮らしている。どの部屋にも巨大なモニターがあり、そこにいつも、ウィルが映っている。モニターの中のウィルはすでに自分の声と表情を持っているが、やはり気味が悪い。しかも、その後、彼は本物の肉体を持って甦るのである。エヴェリンはウィルの復活を気持ち悪がらず、至福だと思っているようで、それが何となく解せなかった。

面白いのは、反テクノロジーのテロリストたちだ。最初は悪者として描かれていた彼らが、いつの間にか善玉に変わっていく。普通の人々は起こっていることが理解できないが、ウィルの研究仲間だった科学者たちは、自分たちの間違いに気づく。そこで、かつてのテロリストたちと、地球を救うために手を結ぶことになる。

その後どうなるかは書かないが、なかなか衝撃的だった。ただ、映画としては、未来のハイテクノロジーを描いているかと思うと、一方で、変に夫婦愛が強調されたりで、結局、どちらも中途半端になり、どこを切ってもあまり感動できないというような残念な結果に陥ってしまった、というのが私の感想。

制作費は100億ドル以上で、アメリカ、イギリス、中国が共同で作った映画だという。ただ、中国が出資しているのに、ストーリーにも映像にも中国的なものは一切出てこない。なぜ、これで中国人がOKしたのだろう。

アメリカでの興行成績は芳しくないそうだ。言い遅れたが、主演のウィルはジョニー・デップ。

この映画を見た後、人間の脳をコンピューターにインストールするということを少し調べてみたら、かなりいろいろ出てくるのでビックリ。なんだか、これはSFではなく、すでに現実的なお話らしい。

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