企業・経営
新型燃料電池車の国内販売を発表したトヨタ! 次世代自動車の主役を決めるのは誰か?
トヨタが公開したセダンタイプの燃料電池車 撮影:筆者

トヨタ自動車は6月25日、走行中に二酸化炭素や窒素酸化物を排出しない「究極のエコカー」と呼ばれる燃料電池車のセダンタイプを2014年度内に国内で販売を始める、と発表した。価格は700万円程度になる見通しで、トヨタの販売店(トヨタ店、トヨペット店)で市販する。国内で販売後に欧米市場にも投入する計画だ。記者会見で現物を展示したものの、スペックの詳細は開示されなかったが、水素を3分間で充填でき、航続距離は約700キロになるという。

トヨタは1992年に燃料電池車の開発を始め、2002年に世界に先駆けてSUVタイプの燃料電池車の日米での限定販売を開始した。そして08年からは航続距離などを改良したモデルを投入してきた。ただ、価格が1000万円を超えることなどから、官公庁向けのテスト販売的な位置づけだった。

今回、トヨタは技術改良を進め、今回発売する新型燃料電池車は08年モデルと比較して、燃料電池システムコストを20分の1以下に抑えた。技術改良で注目すべきは、燃料電池の小型化、高圧水素タンクの搭載本数削減(4本から2本へ)などを実現させた点だ。

ハイブリッド技術を応用し価格を引き下げた

また、燃料電池車は、水素と酸素を化学反応させる際に発生する電気を動力源にするもので、ハイブリッド車や電気自動車と同様の「電動カ―」と言えるため、部品開発などの面でトヨタが強いハイブリッド技術を積極的に応用したことで価格を下げる大きな要因となった。

記者会見したトヨタの開発担当の加藤光久副社長は「(自動車産業における)次世代の技術のキーは電動化。ハイブリット車で培ってきたキーテクノロジーが燃料電池車の進化を支えていく。この新しい価値を、顧客にとって当たり前の価値としていくために、これから長いチャレンジが始まる」と語った。

ただ、トヨタはエコカーの「本命」を燃料電池車と定めたわけではなく、燃料が多様化していく中で、燃料の特徴を生かしながら車が住み分けていく時代と見ている。単純化して言えば、近距離移動向けに電気自動車、乗用車全般にハイブリッド車、中長距離用途に燃料電池車、といった具合になる。

移動手段としては馬車が全盛だった頃の1769年に蒸気自動車が登場。その後、内燃機関のガソリン自動車(1886年)、電気自動車(1899年)が相次いで登場して、自動車の黎明期は、様々なタイプの自動車が混在していた。しかし、1900年代初めに米テキサス州で油田が発見され、ガソリン精製方法の進化とガソリンスタンドの普及によってガソリン自動車が「主役」となった。

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