航空アライアンスから着想!世界最大級の独立系ホテルネットワーク「グローバルホテルアライアンス」
日本の独立系旅館ネットワーク「一の宿倶楽部」に加盟する「てんてん手毬」(島根県松江市)

いよいよ、欧米では、本格的なバカンスシーズンが到来。昨今の旅スタイルは、従来のパッケージツアーのような"お仕着せの旅"ではなく、旅行者それぞれの興味・嗜好・ペースに合わせ、より多様なものへと変化しています。

このような市場環境のもと、高い知名度や提携ネットワークの広さで優位に立つ大手ホテルチェーンに対抗すべく積極的に展開しているのが、世界最大級を誇る独立系高級ホテルのネットワーク「グローバルホテルアライアンス(GHA)」です。

グローバルホテルアライアンスは、航空業界の提携モデルを参考に、2004年に創設されました。1897年にドイツで創業された欧州最古の高級ホテルグループ・ケンピンスキー(Kempinski)や米国・カナダ・メキシコで50ヵ所のホテルを運営するオムニホテル(Omni Hotels & Resorts)、環太平洋地域に展開するパンパシフィック(Pan Pacific Hotels and Resorts)など、現在、27ブランドが加盟し、世界63ヵ国が網羅されています。

グローバルホテルアライアンスの代表的な取り組みとして挙げられるのが、2011年に開設されたロイヤリティプログラム「GHAディスカバリー(DHA Discovery)」です。加盟ホテルでの宿泊数に応じてゴールド・プラチナ・ブラックの3クラスに分類されるこのプログラムでは、一般公開されていないギャラリーを見学したり、地元で活躍する著名人と直接面会できるなど、地元の知られざる魅力を特別に味わえる特典「ローカル・エクスペリエンス(Local Experience)」を会員に付与。2014年3月時点での会員数は、400万人以上にのぼります。

独立系ホテルがタッグを組んで高める存在感

また、グローバルホテルアライアンスは、ホテル業界向け業務改善システムを開発するMICROSと提携。加盟ホテルは、グローバルホテルアライアンスが導入したMICROSのCRMプラットフォームを共同で利用し、効率的かつ効果的に、顧客とのつながりを管理しています。

このように、テクノロジーを効果的に活用し、独自のロイヤリティプログラムを開設からわずか3年半で急成長させたグローバルホテルアライアンスの実績は、マーケティングの観点からも高い評価を受けています。2014年3月、顧客ロイヤルティの専門調査機関「Loyalty360」が優れたマーケティング施策を表彰する「Loyalty360 Awards」では、3部門で受賞しました。

グローバルホテルアライアンスのような独立系ホテルのネットワークは、日本にもあります。たとえば、2002年に設立された、全国の独立系旅館が集まる「一の宿倶楽部」には、現在、19宿が加盟。一の宿倶楽部は、ノウハウの共有や従業員の相互出向などを通じて、加盟宿の施設やサービスの質の向上に努める一方、共通ポイントカードを発行することで、より多くの"常連客"の獲得につなげようとしています。

「その土地ならではの文化や風習を体感できる、こだわりの旅を追求したい」、「そのホテル・旅館でしか味わえない、自分に合った心のこもったもてなしを受けたい」など、旅行者の嗜好やニーズはますます多様化しています。このような流れの中、独自の施設やサービスで差別化をはかる独立系ホテルが、志を同じくする"同業者"とタッグを組むことによって、ホテル業界全体にその存在感を高めることができそうです。
 

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