発展する 「社長の人材マーケット」
ローソン新浪会長サントリー入りの成否は
「人事の実権」にあり

                               photo Thinkstock / Getty Images

サントリーホールディングスが(HD)は、ローソンの新浪剛史会長を10月1日付けで社長に招く人事を固めた。佐治信忠会長兼社長は、代表権のある会長に専念する予定だという。

サントリーは、先般米国のウィスキーメーカー大手のジム・ビーム社の買収を決定するなど、海外進出を加速させようとしている。長期的に人口が減る上に高齢化が進み、酒類の需要の頭打ちが見えてきた日本のマーケットにこもるのではなく、海外にマーケットを求めることは、サントリーにとって自然な戦略だ。

国内では大手のサントリーといえども、海外の酒類を扱うライバル企業は巨大であり、自ら行う海外進出に加えて、今後も海外飲料メーカー等を買収して、規模と商圏を拡大し続けることが必要だろう。

ローソン社長としての実績

新浪氏はもともと総合商社の三菱商事出身であり、海外ビジネスに強い。また、12年間社長を務めたローソンにあっても、中国に多数出店するなど、海外展開を推進してきた。また、新浪氏は、酒豪でこそないが、三菱商事、ローソンの両社の業務経験を通じて食品・飲料関係のビジネスに詳しい。今後のサントリーの成長を牽引するに適任だろう。

ローソンでの実績も申し分ない。筆者は、三菱商事で新浪氏と同期であったこともあり、三菱商事がローソンの株を取得する頃からの経緯をある程度知っている。

筆者の率直な感想は、「三菱商事は、随伴取引もあり、ネットビジネスとの融合の可能性もあるコンビニエンス・ストアを是非欲しいだろうが、株価は適価の倍くらい高いのではないか」というものだった。

結局、三菱商事は2001年にローソンの株式を取得し、ローソン及び当時のローソンの親会社だったダイエーとの交渉を担当していた新浪氏が社長に就任した。取得価格は約7千円ではなかったかと記憶しているが、その後数年、ローソンは業績は底堅いものの、4千円程度の株価が続いたし、三菱商事は一度ローソン株の減損処理に追い込まれている。

しかし、新浪氏が率いたローソンは昨年度まで11期連続の営業増益を達成して来た。先般発表された2014年3−5月期の営業利益は170億円と前年同期比の2割程度の増益であり、3−5月期としては4年連続の増益だ。何よりも、現在の株価は出資時点の株価を上回っている。

新浪氏は、彼を社長に指名した三菱商事に十分報いることができたと胸を張っていいだろう。

業界トップのセブンイレブンに追いつき追い越す目標は、今回の新浪氏同様社外から経営幹部としてスカウトされた玉塚元一氏に引き継がれることになる。

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