プロゴルフ界の「マー君と佑君」松山英樹 石川遼が可哀想になる その凄い「才能」

週刊現代 プロフィール

周囲を気にせずプレーし、バーディを取りたい、といった場面でパッとスイッチが入る。それはたとえ同組に全米トップのアダム・スコットがいても変わることはない。

「プレッシャーのかかる場面、普通ならビビるところで松山は決める。細かいことを考えずにやってしまう。野生児的な行動というか、これはまさしく才能です」(前出・小山氏)

松山の天性ともいうべき「鈍感力」を示す出来事も、ミュアフィールドのプレーオフで見てとれた。

「ケビン・ナは、ティショットをクリークに打ち込んで1ペナをくらいました。ところが、松山はナが何打目を打っているのか確認していないんです。『池に入ったとは思ったけど確認していない』と。プレーオフですから、普通なら相手の打数によって攻め方を変えるはずです。それを知らなかった、いえ知ろうともしなかったというのが、松山らしいですね」(前出・在米ゴルフ記者)

相手がどうであれ、自分のショットを打つだけ。これが松山のスタンスなのだ。

ただし、ゴーイングマイウェーは、時にマイナス要因になることもある。今年3月のキャデラック選手権でも、日本ツアー優勝歴もあるイアン・ポールター(英)が松山を非難した。パットを外した悔しさから、松山が無意識にパターでグリーンを叩き、芝にへこみを作った問題だ。

「昨年、全英オープンでスロープレーを指摘された時もそうでしたが、同伴プレーヤーへの配慮が足りないのです。ポールターとはその後、すぐに松山が謝罪したこともあり和解しましたが」(前出・ゴルフ誌記者)

実は、国内でもマイペースなプレーで気になる出来事は起きていた。昨年のカシオワールドでのことだ。

この日松山は、池田勇太、小田孔明らとラウンド。小田がスイングに入ったタイミングで松山がボールをドロップしたため、カメラマンがシャッターを切ってしまったのだ。

「池田がカメラマンを怒ったのですが、これは松山がいけない。同伴プレーヤーがアドレスに入ったなら、なぜ打ち終わるまで待てないのか。悪気があるとは思いませんが、他の選手からは、『気配りのないやつ』と思われても仕方ない。それに比べると、石川はスマートですよ」(スポーツ紙ゴルフ記者)

面白いことに松山のマイペースぶりを田中将大に重ねる研究者がいる。スポーツ心理学が専門で、追手門学院大学客員教授の児玉光雄氏だ。

「松山は、どっしりと構え、じっくりと時間をかけるのがプレースタイル。遅いと批判を受けても動じず、自分のリズム、自分のペースでやり遂げる。これは能力です。その点は、ヤンキースの田中将大に共通している。過剰に周囲に気を遣ってしまうのが日本人の特質ですが、そういう意味では、ちょっと日本人離れしたプレーヤーなのでしょう」